TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。3月10日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、弁護士の横山智実さんが、新型コロナの影響による“虐待の懸念”について述べました。

◆虐待する親の特徴は……

千葉県野田市で10歳の栗原心愛さんに暴行を加え死亡させたとして傷害致死などの罪に問われている父親の裁判で、検察側は勇一郎被告に懲役18年を求刑。検察側は「被告の謝罪は空虚で、今なお心愛さんへの虐待は続いている」と非難する一方、被告は「私が支配的な立場にあり、それに家族が逆らうことができなかったことは全くありません」などと述べました。判決は3月19日に言い渡される予定です。

現状、虐待件数は増加傾向にあり、2019年に警察が児童相談所に通告した子どもの人数は9万7,842人。横山さんは「5年間で2.6倍にまで急増している」と言います。ただ、これには虐待に対する社会の理解が深まり、いち早く通報するようになったこと、そして虐待自体が増えていること。さらには、DV件数の増加に伴い、「子どもの目の前で両親がケンカをするのは、心理的虐待にあたる。DVで通報を受けた警官がそのまま児童相談所に連絡するケースもある」と要因を分析。

虐待をする保護者の背景としては、精神病や神経症、人格障害、またはその疑いがある人が一定数いるものの、横山さんが注視するのは「 特に問題がない人」。割合的にはこれが最も多く、つまり「誰でも虐待者になる可能性がある」と指摘。2013年の調査によると、「1人親家族」や「夫婦間の不和」、「育児疲れ」などの理由が虐待に繋がるという報告も出ているそうです。

また、虐待のある家庭の多くは心身や経済的な問題を抱えながらも誰にも相談できず、「閉鎖的な環境にいるから虐待が増えていく」と横山さんは述べます。

◆臨時休校で虐待増加の恐れ

そして今、問題になっているのが新型コロナウイルスの影響で学校が臨時休校になり、親と子どもが一緒にいる時間が急激に増えたこと。それにより「両方とも心理的ストレスを溜め、親が子どもに手を出してしまう」という可能性を横山さんは危惧し、「親も子どももストレスの発散方法が必要」と訴えます。

その方法としては、親は友人や自身の親に相談すること。子どもは「子どもの居場所」に行くことを推奨。例えば、足立区ではNPOや企業が事務所やカフェを開放しているそうで、しっかりと体調管理をし、そういった場所でストレスを発散することで、「親と子、お互い良い距離感を保てればいいなと思います」と横山さん。

また、虐待は閉鎖的な環境で生じることが多いだけに「第三者、周りの人が目を配ってほしい」と希求。そして、何かあれば児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」への電話を訴求しつつ、親子が一緒に過ごせる現状を良い機会と捉え、「親子間の絆を深めるようにしていってもらえたら」と話していました。

なお、児童相談所虐待対応ダイヤルは子どもからの通報はもちろん、親の相談電話としての活用も可能。ストレスの捌け口に悩んでいる方は、いち早く連絡することで虐待が未然に防げます。

MCの堀潤は、新型コロナウイルスへの対応は必要なものの、「それによって起きているさまざまな事象によって(人々の)生活が脅かされていくことがさらなる心配」と不安を口にします。

一方、拓殖大学非常勤講師の塚越健司さんは、一般的に男性はプライドが高いと言われているだけに、それが邪魔をしてなかなか相談できないのではないかと案じます。すると、横山さんは誰でもストレスを抱え、イライラするのは当たり前と言い、「プライドを捨ててください」と答えていました。

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<番組概要>番組名:モーニングCROSS放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜7:59 「エムキャス」でも同時配信レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/番組Twitter:@morning_cross