TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。「フラトピ!」のコーナーでは、“木の端材を有効活用した取り組み”についてキャスターの田中陽南が取材しました。

◆SDGsに繋がる、木材が丈夫になる技術とは?

今回、田中が訪れたのは、静岡市駿河区にある「株式会社きんぱら」。こちらは設立から50年を迎える木材の加工や建築を手掛ける会社で、話を伺うのは“もったいない”が口癖の代表取締役会長・金原隆之さん(80歳)。

まずは工場内を拝見すると、金原会長が「液体ガラス」をコーティングした木材を紹介。液体ガラスとは、木や金属、コンクリートなどをコーディングする技術で、きんぱらでは建築物にコーティング済みの木材を推奨。それがSDGsに繋がると言います。

というのも、液体ガラスを塗布することで表面がガラス状となり燃えない(不燃)。さらには腐りにくく長持ちし、シロアリ被害も防止。耐用年数も「何もしていないと8年ぐらいで腐り始めるが、コーティングすれば50年は持つ」と金原会長。現在、液体ガラスを使った木材は、高輪ゲートウェイ駅や陸前高田市役所など近年作られた建物に使われています。

続いては、きんぱらの看板商品、薄さわずか0.2mm、木目が美しい「ツキ板」。ツキ板とは家具や建物などの外装に使用するもので、スギやヒノキを加工したもの。

きんぱらのツキ板は、さまざまなものに使われており、例えばトヨタのレクサス。車の内装に使用されるなど、各所で高い評価を受けています。

◆80歳の会長が目指す自然由来の時代に合ったストロー

しかし、そんなツキ板を加工する過程で必ず端材が出てしまい、それが会長の長年の悩みでした。以前は焼却炉の燃料にしていたものの、“もったいない”と思った金原会長は端材を活かすべく、ストローの開発に着手。

現在、きんぱらではスギやヒノキなど、さまざまな木でストローを試作中です。しかも、その作り方にもこだわりがあり、「化学製品は人間の口に入るものに使いたくない。しかもSDGsで石油・プラスチックをやめようという時代にプラスチックを使うのを一切なしで考えて、植物由来で徹底的に接着剤を開発した」と金原会長。

そこで、接着剤に使おうとしているのが「片栗粉」。きんぱらでは片栗粉と紙の原料であるパルプを分解したものを接着剤に使い、自然由来の時代に合ったストローを目指しています。

試作品のストローを使った田中は「飲み心地としてはプラスチックのストローと全く変わらない。紙のストローは噛むとフニャッとしたりするが、木のストローは全くそんなこともなく、口に入れた感じもプラスチックのストローとすごく似ています」と感想を語ります。

なお、きんぱらではストローの他にも、端材から木のバッグや名刺なども作っているなか、金原会長は「まだまだSDGsに取り組まなければ」と意欲を見せます。「休”という字は、にんべんに木が寄り添っている。人が木に寄り添っていると休むになる。木は素晴らしい材料・植物だと常々思っている。恩返ししなきゃ」と話していました。

ちなみに、田中によると金原会長が端材を活かそうと思ったきっかけは、若き環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさん。彼女のスピーチを聞き、もっと自分もSDGsをやらなければと思ったそうです。

◆深刻な従事者不足に悩む林業…その打開策は?

インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、「柔軟に考え続けられることがすごい」と金原会長の行動力に驚きつつ、「SDGs自体は2010年代から入ってきたものだが、日本にも昔から(同じような考えは)あって、それらがうまく融合しているのは素晴らしい」と感心しきり。

しかし、現実を見ると、林業を含めた一次産業は多くの課題を抱えています。その1つが従事者不足で、統計を見ると林業の従事者数は年々減少しているのに対し、高齢化率は上昇。2010年に高齢化が一時低下していますが、それは団塊の世代の退職という一時的なもので、林業は担い手不足が深刻化しています。

こうした状況を打開するにはどうすればいいのか。能條さんは、若い世代を取り入れるには「安定した給料・将来性」と「その仕事が魅力的であると思えること」の2点を挙げ、日本の産業政策の必要性を示唆しつつ、今回の金原会長の取り組みも今後の林業を考える上では鍵になると高く評価。

堀によると、現在、岐阜県の飛騨では若いクリエイターが集まり、現地の木材を活かした家具作りやワークショップなどを行うなど、新しい林業の形を提案していたり、岡山県の西粟倉村では「百年の森林構想」を推進したことで多くの人が流入するなど各地でさまざまな取り組みが行われているとか。

能條さんも西粟倉村を訪れたことがあるそうで、「そこにいる人たちが本当に素敵で、自分たちの街のことを好きでやっているのがいい。そういう場所を探している人もたくさんいると思うので、うまくマッチングが進めば」と期待を寄せていました。

※この番組の記事一覧を見る <番組概要>番組名:堀潤モーニングFLAG放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/番組Twitter:@morning_flag