TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。6月14日(火)放送の「ニュースFLASH」のコーナーでは、“侮辱罪の厳罰化”について議論しました。

◆誹謗中傷対策として侮辱罪を厳罰化

インターネット上の誹謗中傷対策で「侮辱罪」を厳罰化する改正刑法が参議院本会議で可決・成立しました。

侮辱罪は、2020年に女子プロレスラーの木村花さんがSNSで中傷され、自殺したことをきっかけに見直しの議論が拡大し、国会では表現の自由との兼ね合いが議論となっていました。

具体的には、現行の刑罰「30日未満の『勾留』、または1万円未満の『科料』」が「1年以下の『懲役・禁錮』、または30万円以下の『罰金』」に。

また、今回の改正刑法では「懲役刑」と「禁錮刑」を一本化し、「拘禁刑」を創設することも盛り込まれています。これは刑務作業の義務がある懲役刑と禁錮刑を一緒にしたもので、刑務作業が義務でなくなり、改善更生に向けた指導・教育により多くの時間をかけることが可能になります。

◆ネット社会の今、時代に沿ったアップデートが必要

侮辱罪厳罰化に対し、法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんは「これは時代に沿ったもの」、「もともとが軽すぎた」と見解を述べます。

ただ、その背景には既存の侮辱罪はネットによる拡散までは想定されていなかったとも。そして、厳罰化の軽重については議論の余地が残るものの、こうした認識を持つことが大事と由井さん。「Twitterなどで気軽に暴言が吐ける世の中になってしまったが、それが犯罪になるかもしれないことを改めて認識した上で、人を傷つけることが果たして自由の中に入るのか、もう一度みんなで認識を改めないといけない」と語ります。

政治プラットフォーム「PoliPoli」代表の伊藤和真さんも、由井さん同様「時代に合わせたアップデートが前提」とし、今回それを実践したことに対しては評価。しかし、「誹謗中傷と建設的な批判は違う。誹謗中傷は人を傷つけたり、殺してしまうこともあるのでしっかり対処すべきだが、建設的な批判とは分けるべき」と注意を促します。

また、Z世代マーケティング女子・梶山悠莉彩さんは「厳罰化したとはいえ、裁判するとなると30万円以下の罰金だと少ない」と語る一方で、「まずは教育が大切」と主張。法律改正とともに、その内容を伝えていく必要性を訴えます。

また、自分が写っている写真など、SNSやインターネット上で一度拡散されるとデジタルタトゥーとして残ってしまうなど、Z世代はそうしたことに対する意識や知識は高まっているものの「他者への言葉の伝え方というところは、変わっていないと感じている」と梶山さん。「例えば、遠く離れた芸能人だったらわからないだろう、言葉だったらそんなに気にしないだろう、罰せられることがないだろうという気持ちが写真よりも言葉のほうが軽く見られているのではないかと思う」と案じます。

キャスターの田中陽南は、厳罰化も必要としつつも、まずは誹謗中傷が罪になることを周知徹底し「未然に防ぐことが一番必要」と望みます。

由井さんは、別の側面から今後の課題について言及。今回、刑法における侮辱罪は厳罰化されたものの、民事裁判で損害賠償請求を行うとなるとネットでの誹謗中傷はまだまだ相手を特定するのに時間がかかり、なおかつ判明できないこともあるため、「そうした部分の改正も積極的に議論できれば」と期待していました。

※この番組の記事一覧を見る <番組概要>番組名:堀潤モーニングFLAG放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/番組Twitter:@morning_flag