TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。「フラトピ!」のコーナーでは、“おさかなSDGs”について、岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さんとキャスターの田中陽南が取材しました。

◆漁獲量・消費量ともに減少の一途…水産の危機

今回取り上げたのは、SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標のうちの14番目「海の豊かさを守ろう」について。香里武さんによると今、“海のSDGs”が注目されており、「海洋ゴミ問題や地球温暖化、気候変動など環境寄りの話を耳にすることが多いと思うが、今危ないのが“水産”」と指摘します。

というのも、現代人は魚を昔ほど食べなくなり、市場に出回る魚は獲れた魚のごく一部。「同じ魚ばかり獲ってしまうと、海の生態系のバランスが悪くなってしまう」と危機感を募らせます。

そこで今回は水産の現状を知るべく、鈴木さんは水産庁へ。話を伺ったのは、水産庁 漁政部 企画課の山地さん。早速、日本の現状を聞いてみると「1984年には1,282万トンあった漁獲量が2019年には420万トン。ピーク時の3分の1ぐらいに減少している。(その原因は)海水温の上昇や海流の変化など環境の変化、外国漁船による日本の排他的経済水域での漁獲などにあるのではないかと考えている」と回答します。

続いて、香里武さんが“子どもの魚離れ”について問うと「2001年には1人当たりの漁獲物の消費量が40.2kgあったが、2019年には23kg程度ということで、4〜5割ぐらいの量に」と山地さん。

こうした状況に国は、まず漁獲に関しては2020年12月に漁業法を改正。適切に資源を管理し、中長期的に漁獲量を増やしていこうと取り組んでいます。一方、消費については手軽に食べられる水産物の商品開発などに支援するとともに、「IUU(違法・無報告・無規制)漁業」を規制。山地さんは「違法漁獲されたようなものが消費のなかに入ってこないように、適切にトレーサビリティ(追跡可能性)を担保しようというところも取り組みとしてやっている」と言います。

取材を通して厳しい現状を知った香里武さんですが、「まさに今、海のSDGs、水産資源という意味では過渡期にある。これからがスタート、未来が明るいなと思いました」と本人はいたってポジティブ。

そして、「日本には4,000種類ぐらいの魚がいて、とても豊富なので、いろいろな魚をもっと幅広く食べられるような魚食の多様性がポイントになると思った。一方で未利用魚、まだ知られていない美味しい魚を魚屋・鮮魚店が仕入れやすいようなインセンティブを、国が補助してもらえれば“海のSDGs”に繋がっていく」と自身の考えを提唱していました。

◆市場に出回らない未利用魚、なぜ出荷されないのか?

では、市場に出回らない魚“未利用魚”とはどんなものなのか。それを知るべく、田中は未利用魚を扱う横浜にある鮮魚店「早鈴直売所」へ。そこにはサバやアジといった定番の魚とともに、田中も初めて見るという魚があちこちに。

その中で田中が目を留めたのは、口の長いピンクの魚「アカヤガラ」。早鈴直売所の鈴木さんによると、これはとても甘みが強く美味しいそう。さらには「ツノザメ」などサメの姿も。

こうした魚がなぜ店舗に出回らないのか。鈴木さんによると、数が取れない、まとまった量が確保できない魚は市場に出荷されず、基本的には一般流通されないと説明。その理由は運ぶ手間賃などさまざまで、最終的に地元で消費される魚は実に多いと言います。

そんな未利用魚のなかには、以前、香里武さんが美味しいと絶賛していた「カゴカキダイ」も。

カゴカキダイの刺身を試食してみた田中は、「美味しい! とても脂がのっていて、まろやかで甘い。こんなに美味しい魚が食べられていないんですね……もったいない」とその味わいに驚いた様子。

香里武さん曰く、カゴカキダイは見た目が黄色と黒とあって、危険立ち入り禁止信号のようなところも敬遠される理由の1つだそうですが、その他にも出荷されない背景には確保量やサイズ感などいろいろな問題があり、「本当に美味しい魚はたくさんいる」と残念そう。

今回、日本の水産が過渡期にあることを実感した香里武さんは「今、(子どもたちに)『魚を描いて』と言うと切り身が泳いでいる絵を描く子どもたちが増えているなかで、自分たちが食べている魚がどういうものかわかった上で食べることこそ、SDGs、持続可能な海の水産資源に関係してくると思う」と力説。さらには「もっともっと(水産に)触れる機会が増えてほしい」と訴えます。

水産庁の方にも具体的に何か取り組みをしているのか聞いてみたところ、現状では各漁業者に任せているそうで、香里武さんは「今は状況を把握しているところ、これから具体的な動きになっていくのかなと思った」と今後の展開に期待していました。

なお、水産庁では海のSDGsを巡る取り組みの1つとして「水産エコラベル」を推進。持続可能で適切に管理されている漁業で非認証水産との混在を防いているという認証「MSC認証」や環境に負担をかけずに地域社会に配慮して操業している養殖業に対する認証「ASC認証」などを設けています。

※この番組の記事一覧を見る <番組概要>番組名:堀潤モーニングFLAG放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/番組Twitter:@morning_flag