人気アイドルグループ「乃木坂46」の白石麻衣(28)が28日、配信限定で卒業コンサートを開催し「幸せな9年間」を強調してみせた。絶対的センターとしてグループをけん引する一方で、ソロ仕事の〝先駆者〟〝開拓者〟だった白石。だが、幸せな日々の裏で、さまざまな傷や葛藤を抱え、ときに涙を流しながら奮闘する姿があった――。

「まいやん」の愛称で知られ、25枚の全シングルで選抜メンバー入り。5作でセンターを務め、そのうち「インフルエンサー」(2017年、西野七瀬とダブルセンター)「シンクロニシティ」(18年)では2年連続で「日本レコード大賞」を受賞し〝グループの顔〟として活動した。

 卒業スピーチで、白石は「『やっぱり乃木坂って最高だな!』とこれまでの9年間で思いました」と振り返り「本当に幸せがいっぱい詰まった9年間。本当に幸せでした。こんなに幸せでいいのかなと思うくらいの9年間でした」と何度も「幸せ」を繰り返した。

 配信でのステージになったが、国内21万9000人と海外1万人の合計22万9000人がチケットを購入。推定の総視聴者数は国内65万7000人、海外3万人で、合計68万7000人が白石の卒業を見守った。

 類いまれなる美貌で、グループで最初にファッション誌の専属モデルを務めた。17年発売の写真集「パスポート」は、累計発行部数は50万部を突破。握手会などに女性ファンが詰めかけるようになったのも、先駆者として白石がモデル界に進出したことが大きかった。

 功績は計りしれないが〝ノースキャンダル〟を貫いた姿勢はグループ内にも好影響を与えた。

「共演者などから口説かれても人見知りという面はあったが、うまく断っていた。他のメンバーにとっても見習うべき存在で、普段はおっとりしていますが、仕事ではピリピリした厳しい姿を見せていた。高いプロ意識は誰からも認められていた」(テレビ局関係者)

 モデルだけではなく、バラエティーでも〝ソロ先駆者〟だった。13年からは競馬バラエティー番組「うまズキッ!」(フジテレビ系)に約5年間、レギュラー出演した。

 ただ、決して自信があったわけではなく、涙を流しながら開拓していったという。

「AKB48の小嶋陽菜と共演していたんですが、顔合わせの際は緊張しすぎて泣いてしまった。自ら〝ガラスのハート〟というほど緊張するタイプだったが、乃木坂のために、と必死だった。共演の『おぎやはぎ』が繰りだす下ネタいじりにも、少しずつ笑顔でかわせるまでになっていった」(前出のテレビ局関係者)

 明るく華やかなイメージが定着していたが、15年に公開された乃木坂46のドキュメンタリー映画「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」では、中学時代にいじめを受け、不登校になったことを明かしている。

「まだ女優として駆け出しのころドラマ撮影で、白石さんが女の子を殴るようなシーンがあったんです。いじめにも似た台本で白石さんは当時のことを思い出してしまうようで、〝できない〟と涙を流しながら訴えたことがあった」(前同)

 それでも「女優なら演じるべき」という批判は当然あるだろうが、スタッフは白石の思いを尊重し、そのシーンをお蔵入りにしたという。

 重すぎるプレッシャーを常に抱えながら、笑顔で乗り越えてきた白石。積み重ねてきた努力は、ソロの下支えにもなるはずだ。