19日に15歳の誕生日を迎えた天才棋士、藤井聡太四段が21日、東京将棋会館で行われた「第2回上州YAMADAチャレンジ杯準々決勝」で三枚堂達也四段(24)に219手の激闘の末、敗れた。12日に大相撲の名古屋場所を観戦して念願の初対面を果たした横綱白鵬が単独歴代最多の1048勝を飾った21日、藤井四段は公式戦2敗目を喫した。投了後は「先攻された。こっちの玉が薄い陣形の展開で自信はなかった。終盤戦が長い将棋だったが最後は押し切られた」と時折、笑顔を見せる場面もあった。

 2日に連勝記録がストップし、この日の対局取材に訪れた報道陣は全盛時の3分の2ほどに落ち着いたとはいえ、まだまだ天才棋士への注目度は高い。気になるのが、まだ中学3年生の藤井四段の夏休み。実は今回の負けで、一つの楽しみが消えてしまった。

 今後、24日の棋聖戦1次予選、27日の銀河戦予選1回戦、8月4日の王将戦1次予選、10日に順位戦C級2組3回戦が控え、夏休みといえどもプロ棋士だけに多忙を極める。このタイトル戦の予選は基本的に東京と大阪の将棋会館を行ったり来たりと単調だ。「もしYAMADA杯を勝ち進んでいれば8月28日に群馬・高崎で決勝戦だった。鉄道オタクの藤井君のことだから、上越新幹線に乗るチャンスを逃してしまったとヘコんでいるかもしれません」とは関係者。

 藤井四段は幼少時、自宅から大阪までの電車の時刻表を丸暗記したエピソードで知られるほどの“鉄ちゃん”。将棋漫画の実写映画「3月のライオン」のDVD特典映像として収められる主演の神木隆之介(24)との対談でも「それぞれの車両によって走行音も独特の響きがある」と語るなど鉄オタぶりを披露している。

 将棋漬けの藤井四段にとって、名古屋から高崎へのショートトリップはお預け。東京と大阪を行き来する忙しい夏となりそうだ。