【本紙客員編集長・ビートたけしの世相斬り】松山英樹は全英オープンで最終日に崩れて14位だったけど、やっぱすごいよな。周りがすごい猛者の中で、平気な顔でプレーしてるんだもん。丸山茂樹が全英オープンに出た2002年、南アフリカ共和国のアーニー・エルスが優勝したけど、丸山は一時、首位になった。ボードに「1位 MARUYAMA」って出てから、勝てると思っちゃったのか、ガタガタッて落ちて、5位で終わったんだよな。

 テレ朝の中継で青木功さんの解説で、俺も全英オープンに行ったんだ。あとで同じピン、同じ芝で打たしてくれるっていうから、エルスが勝った明くる日、やったの。青木さんとオレ、あと何人かで回ったんだけど、そのうちの一人が「全英オープンのゴルフ場でゴルフやるのが夢だった」って感動してたんだ。

 で、その人がラフから打つ時、青木さんが「気を付けた方がいいよ。5番なんかで打っちゃダメ。ラフの根を見てみな。この根は5番なんかで切れないから。球まで届かないよ」って。確かにニンジンみたいな根っこの上にボールが乗ってるわけ。青木さんが「サンドウエッジで出した方がいい」って言うからサンドで打ったらグキッて音が聞こえて、「イタッ」て。手首を壊しちゃった。夢に見た全英オープンがサンドの1打で終わっちゃった。

 もう、全英オープンはどうにもなんないよ。コースはデコボコで、雨や風は強いし、ラフは背丈ほどあるし。そんなとこで上位だった松山は大したもんだ。

 そういや13年の太平洋クラブ御殿場コースのプロアマで、松山と一緒に回ったことがあるけど、キャディーがすごい。松山がパットを失敗すると、「もう1回やって」って、何回もやらせるんだ。キャディーは「たけしさん、不調なときはどうしますか?」って聞いて、オレが「酒飲んで寝ちゃうな」って言うのをいちいちメモしてるし。キャディーはそうやって、臨機応変に選手にアドバイスしてるんだなって思ったよ。

 で、松山は松山で、プロアマなのに球見て、飛ばす先を見て、また球見て、飛ばす先見てって、ルーティンをきっちりやるし。アメリカでスロープレーでペナルティー食らったのに、全然こたえないで、ルーティン守り抜いて、いまや世界ランク2位だから、誰も文句言えなくしちゃった。根性がすごいよ。性格が日本人離れしてる。

 松山の一方で、悲劇なのは石川遼くんだよな。全英オープンにかすってない。アメリカで一生懸命やってるけど、シード権取れなきゃしょうがない。1回、日本に戻ってやり直した方がいいんじゃないかな。