第99回全国高校野球選手権東東京大会の準々決勝が24日、神宮球場で行われ、第2シードの二松学舎大付が上野学園を6―1で下し、準決勝進出を決めた。二松学舎大付には、元KAT-TUNの田中聖(こうき=31)の弟・田中彗(すばる)投手(3年)が在籍していることで話題となっている。そんな弟の応援に、聖が応援に駆けつけたところを本紙が直撃。元国民的アイドルの兄と、名門校で投手を務める弟の関係は――。

 序盤の主導権を握ったのは二松学舎大付。初回に打者9人の猛攻で4得点を挙げると、その後の3、4回にも秋広の本塁打などで1点ずつ追加し、前半だけで6―0。守っては先発左腕の市川が4回二死までパーフェクト投球を続け、上野学園を圧倒した。

 しかし、その後は徐々に上野学園のペースに。7回に1点を返されると、相手先発・傍島の低めに集める丁寧な投球の前になかなか打線がつながらず、追加点を奪えない。ブルペンでは彗も肩を温め、緊急事態に備えた。それでも、市川は粘り強い投球で、終わってみれば12三振を奪う5安打1失点で完投勝ちを果たした。

 試合後、二松学舎大付・市原勝人監督は「上野学園さんは前の試合でかなり打っていたので、こちらも気持ちで攻めるんだ、と。市川も真っすぐだけでなく、チェンジアップも効果的に投げてくれました」とナインを称賛。次戦の準決勝(27日)は強豪・関東第一との対戦となるが「自分たちの野球をやるだけです。勝敗はその後についてきますから」と冷静な口調で語った。

 この日は、彗の登板こそなかったが、兄・聖は弟の雄姿を見るため球場入り。本紙は試合前、知人男性2人と喫煙所で一服を終えてスタンドに戻るところを直撃した。

 本紙記者が身分を名乗った後「人間違いでしたら申し訳ありません、田中聖さんでしょうか?」と問いかけたところ「はい、そうです」とはきはきした声で返答。「彗投手へひと言応援メッセージをいただけますでしょうか」と問いかけると「すみません、事務所の関係でお答えできないんです…」と両手を合わせて申し訳なさそうに謝罪した。それでも「ぜひ応援してやってください!」とさわやかな笑顔で頭を下げてその場を後にするなど、弟思いの優しい一面を見せた。プライベートにもかかわらず見せた紳士的な対応に、元国民的アイドルの面影が見て取れた。

 聖はその後の試合を、二松学舎大付の応援席ではなく、バックネット裏で観戦。最高気温32度の真夏日のため、日を避けて一度はスタンド上段の日陰席へと移動したが、その後に彗がブルペンで肩をつくり始めると再びバックネット裏席へ移動し、熱視線を送った。1点を奪われた7回以降は、抑え投手として彗の出番が期待されたが、この日は登板なし。それでも聖は最後まで二松学舎大付ナインの活躍を見届け、球場を後にした。

 彗はそんな兄について「試合前や試合後など、必ず応援のメッセージをもらいます」。寮生活では携帯電話の使用が制限されるため、メールやLINEなどではなく「家に帰ったときに直接言ってくれます。(4回戦で彗が完封勝利を挙げた都立)青山戦の後も『ナイスピッチング!』と言ってくれました」と、ほほ笑ましい兄弟仲について語ってくれた。最後に「兄からの言葉はやっぱり力になりますね。『頑張ろう!』ってなりますから」と照れ笑いを浮かべた。

 次戦は強敵・関東第一が相手となるが「監督さんを絶対甲子園に連れて行きます。負けている場面の登板となっても、チームに勢いがつくような投球をしたいです」と力強い言葉で目標を語った。応援してくれる兄のため、そしてここまで育ててくれた監督のためにも、目指すは甲子園の舞台、ただひとつだ。

【4回戦で完封勝利の活躍】今大会、彗は4回戦の都青山戦(18日、神宮)で公式戦初先発。背番号11ながら、7回4安打完封(7回コールド)に抑える大活躍を見せた。その試合では先発したものの、本来は守護神的役割を担っている。この日完投勝利した市川が緩急をつけたピッチングを得意とするのに対し、彗は最速141キロの力強い直球を武器とするパワータイプ。また、春からは下半身の強化と合わせ、ノルマである一食3杯の飯に加え、ウエートトレーニングの後にもう一杯食べて体重増加にも努めた。現在は174センチ、66キロ。右投げ右打ち。卒業後はプロ入りを志望しており、今後の成長に期待がかかる投手だ。5人兄弟の末っ子で、聖は次男。長男は一般人で、三男の彪(ひょうが)は俳優、四男の樹(じゅり)はジャニーズJr.に所属している。

※聖は2013年に「度重なるルール違反行為があった」としてジャニーズ事務所から専属契約を解除され、KAT-TUNを脱退。17年5月24日には大麻を所持していたとして現行犯逮捕されたが、6月30日に証拠不十分で不起訴処分となった。現在は活動休止中。