本紙客員編集長の北野武(70=ビートたけし)が監督を務めた最新作「アウトレイジ 最終章」(10月7日公開)が、イタリアで開催される「第74回ベネチア国際映画祭」(8月30日〜9月9日)のクロージング作品として上映されることが決定した。カンヌ、ベルリンとともに「世界3大映画祭」と称されるベネチアのクロージングを務めることは、映画界では紛れもなく快挙で、あらためて“世界のキタノ”を証明した格好だ。

 北野監督にとって18作目で、3部作の「アウトレイジ」シリーズで最後となる同作品は、ベネチア国際映画祭最終日である9月9日の授賞式終了後、締めくくりとして公式上映される。当日は北野監督も現地を訪れる。この上映は、世界最速で上映されるワールドプレミアになるという。

 北野監督とベネチア国際映画祭の関わりは非常に深い。過去には1997年(第54回)に「HANA―BI」で最高賞に当たる金獅子賞を受賞、さらに2003年(第60回)に、「座頭市」で監督賞に当たる銀獅子賞を受賞している。
 また「アウトレイジ」シリーズでは、1作目の「アウトレイジ」が「第63回カンヌ国際映画祭」(10年)コンペティション部門で上映、2作目の「アウトレイジ ビヨンド」は「第69回ベネチア国際映画祭」(12年)コンペティション部門で上映されている。

 さらに今回、「アウトレイジ 最終章」がベネチアのクロージング作品に選ばれた。つまりアウトレイジ3部作すべてが、世界3大映画祭のいずれかで上映されることになる。これは紛れもなく快挙だ。

 北野監督は「映画祭のクロージング作品として『アウトレイジ』シリーズ最終章とはまさにぴったり、願ったりかなったりだね。いつものことながら観客の反応が楽しみだな」と喜びを隠さない。

 また、森昌行プロデューサーは「招待作品の中でもオープニング作品と並ぶクロージング作品という格別な扱いをしていただいたことを素直に喜んでおります。今回の招待は改めて北野作品の海外での人気を象徴するものと受け止めております」とコメントしている。

 映画関係者は「日本では昔から、海外の映画祭で賞を取ると“快挙”と絶賛する傾向が強い。ただ海外の映画祭が、すべてすごいわけではない。もちろん『世界3大映画祭』は価値は高いけど、それ以外は大したことがない映画祭も多い」と指摘する。

 最近では鈴木紗理奈(40)がスペインの「マドリード国際映画祭」で最優秀外国映画主演女優賞を受賞し話題になった。だが、北野監督は本紙恒例の「世相斬り」で「聞いたことない映画祭だな。こんなので記事になるんだったら、オイラなんか、イタリアやなんかでいろんな賞をもらってるぜ」「やっぱり映画祭は、カンヌ、ベネチア、ベルリンの3つだろ?」と話していた。

「北野監督の言うとおり、実際に世界3大映画祭は別格。その意味では、ベルリンで10年に寺島しのぶ、14年に黒木華が最優秀女優賞を受賞したけど、あれは本当にすごいことで、悪いけど鈴木紗理奈と一緒にしたらかわいそう。あとカナダの『モントリオール世界映画祭』なんか日本映画がよく賞を取るけど、世界的には全く無名の映画祭だからね」(前出の映画関係者)

 そうしたなか世界3大映画祭で評価され続け、今年はベネチアのクロージング作品に選ばれた北野監督。“世界のキタノ”と呼ばれるのは、大げさではなく当然と言えそうだ。