有名歌手らを“客寄せパンダ”として利用し、集まった高齢者らに「元本保証で利息がもらえる」などと、輸入ワインの販売事業などへの投資話を持ち掛け、1046人から総額60億円をだまし取ったとして社長と元妻が逮捕された。その“舞台装置”には元妻がお気に入りだった元フォーリーブスの江木俊夫(65)をはじめ、複数の有名芸能人らが広告塔として利用されていた。

 組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで15日、警視庁に逮捕されたのは健康食品販売会社「ロイヤルフーズ」(東京都品川区)社長の原田一弥容疑者(63)、元妻の小野寺朝子容疑者(68)ら6人。

 総額60億円という被害額の大きさにもビックリだが、同社が客寄せに使った芸能人の顔触れもそうそうたるものだ。ジャニーズ事務所の往年のアイドルグループ「フォーリーブス」の元メンバー・江木俊夫をはじめ、アグネス・チャン(62)、柏原芳恵(52)らが、まんまと利用された。

 そもそも「ロイヤルフーズ」社は健康食品や化粧品などの“会員制”通販会社。入会金は100万円だが、同社主催の芸能人コンサートに無料招待などの特典をウリにしていた。これほどのビッグネームが集まって「ヒット曲ばかりのコンサート」を開けば、確かに“アラ還以上”の世代も楽しいだろう。

 逮捕容疑は2013年12月〜14年10月、返金能力がないのに「元本保証で利息がもらえる」と言って、東京や神奈川の高齢者ら8人から計約1億8000万円をだまし取った疑い。

 コンサートなどで客に気をよくさせて投資話を持ちかける手口で、07年〜16年8月までに総額60億円をかき集めていたが、実際には預かり金を社員の給料や経費などの運転資金に充てる自転車操業だったという。

 警視庁生活経済課によると、原田容疑者は「会員から預かり金の名目で現金をだまし取り続けたことに間違いありません」、小野寺容疑者は「会社を存続させるためだった」と容疑を認めている。一方、元従業員ら4人は「だましていません」などと否認している。

 同社は高齢者らに高額の健康食品を売りつけたとして、08年5月に特定商取引法に基づき、東京都から業務停止処分を受けた。これを機に経営が悪化。09年末ごろから元本保証をうたった違法な集金を本格化していたとみられる。

 実は、会社の経営状況が一向に上向かない“元凶”ともいえる存在が前出の江木だったとも報じられている。

「週刊新潮」7月13日号によると、小野寺容疑者が江木のマネジメントを引き受けた2年前から業績が悪化。数回の出演に対し、月々200万円のギャラのほか、関連会社名義の高級車やブランドのバッグや靴まで貢いでいたという。

 小野寺容疑者らを知る人物によると「江木を客寄せにして韓国・済州島ゴルフツアーや、スリランカの孤児院支援ツアーなどもしょっちゅう企画していた。確かその縁で、江木はスリランカの観光親善大使をやっていたはず」というから、蜜月ぶりは相当なものだ。

 この“ただならぬ”付き合いで、捜査当局にニラまれた江木は事情聴取も受けたというが「会員のパーティーにタレントとして出ただけ」などと関与を全面否定。原田、小野寺両容疑者らが逮捕された15日、江木は一部メディアに「30万円ほどのギャラをもらってツアーなどには出たが、どうやって金を集めていたかは知らない」と語った。本紙も江木のケータイを鳴らしたが、江木が出ることはなかった。

 一方で15年に3回、同社主催のコンサートに出演したアグネスの事務所関係者は「驚いている。付き合いのある代理店からの依頼で受けた仕事でした。契約書のどこにも企業名はない。企業主催の無料招待コンサートなどの場合はこちらもどんな会社なのか必ず確認しますが、社名が冠にもなっておらず、防げなかった。本当の被害者がいるから言い方が難しいが、だまされたようなものです」と憤りを隠せない。

 だまし取られた高齢の被害者のお金はほとんどが回収不能とみられる。