新小結の朝乃山(25=高砂)は再び旋風を起こせるか。イケメンの大器が注目を集めている。

 大相撲九州場所2日目(11日、福岡国際センター)は大関貴景勝(23=千賀ノ浦)を上手出し投げで撃破。序盤の2日間で横綱白鵬(34=宮城野)ら上位陣に相次いで土がつき、三役以上で黒星がないのは朝乃山だけとなった。5月の夏場所で初優勝し、今場所は新三役。成長の要因の一つが積極的な出稽古だ。

 今場所前も尾車部屋を皮切りに時津風→時津風→出羽海→境川→尾車と各部屋を渡り歩いた。横綱鶴竜(34=陸奥)に胸を借りる一方で、元大関の幕下照ノ富士(27=伊勢ヶ浜)と手合わせをする機会もあった。朝乃山は「普段は稽古できない相手。栃ノ心関(32=春日野)は力でねじ伏せるタイプだけど、照ノ富士さんはまた違う。大きいし、体重があるし、柔らかい」と多くの収穫を得た様子だった。

 ただ、出稽古の“難点”は交通費がかかること。特に地方場所の場合は移動距離が長くなりがちだ。日ごろの買い物は百貨店より量販店を好む堅実派の25歳は「(出稽古の)タクシー代だけで往復1万円ですからね。(合計6日間で)6万円が飛んでいった(苦笑い)」とぼやいたが、2日目の大関撃破で12本の懸賞をゲット(1本7万円)。自己投資の金額を何倍も上回る“リターン”を手に入れた。

 師匠の高砂親方(63=元大関朝潮)は「私が言って出稽古に行かせるのではなく、自分から率先して行く。その気持ちが大事」と愛弟子の姿勢に目を細める。このまま白星を伸ばしていけば夏場所の再現も夢ではない。