ドジャースと全日本空輸(ANA)が複数年のパートナーシップ契約を結んだと2日に発表した。大谷翔平投手(29)は日本航空(JAL)とサポート契約を結んでおり、日本の大手航空会社2社を股にかけた格好だ。圧倒的な人気と知名度を誇る大谷の価値はまさに青天井となっており、広告業界内の〝タブー〟をも超越する異端ぶりを発揮している。

 大谷が加入したドジャースの株が爆上がりだ。新たにスポンサー契約を結んだANAはチームの本拠地であるドジャー・スタジアムの本塁後方やフェンスなどだけでなく、来年以降はキャンプ地があるアリゾナ州グレンデールの球場内にも企業広告を入れる予定という。

 広告代理店の関係者によると「今回の契約はドジャースが今年結んだ新規スポンサー契約で、最も大きな部類でしょう。複数年なので一概に言えない部分はありますが、おそらく10億円、3年以上なら100億円クラスの契約ではないか」という。

 この〝総額100億契約〟は、あながち大げさな数字ではない。大谷がエンゼルスに所属した当時から米球団との広告事業に携わる同関係者は、ドジャース移籍を機に球場内の新規広告の単価が急激に上がっていると指摘する。その相場はというと…。

 今年、ドジャースとある日本企業の新規契約に関わった代理店関係者は「広告の内容や掲示する場所や(放映などに映る)頻度、大きさにもよりますが、相場は単年で8〜20億円まで高騰しました」と証言。大谷を筆頭に山本も加入し、ドジャー・スタジアムに出す広告は日本の大手企業にとっても簡単に手を出せる金額ではなくなっているという。

 それでも、別の代理店関係者は「新たに企業広告を出したい企業は、ひっきりなしに増えています」とし「ドジャースとしても、そういうニーズにきっちり応えようと動いています。個人とチームで契約先が分けられるのであれば、大谷のこれまでのスポンサー企業と職種がかぶっても積極的に受け入れる傾向です。今回のANAやJAL、自動車業界では大谷はポルシェとスポンサー契約していますが、(ドジャースには)日本のレクサスが入ってきています」と語った。

 従来の広告業界では中継映像などに映し出される同一空間で、企業側の業種がかぶると「価値が半減する」とされ、代理店側は細心の注意を払ってきた。しかし、大谷が加入した効果もあり、そんな垣根も越えた感すらある。いずれドジャー・スタジアムが日本企業の広告で埋め尽くされる日が訪れるかもしれない。