歴史的低迷から再建途上の西武が期待感を高まらせている。

 オープン戦は8勝4敗2分けの2位。チーム打率2割6分9厘はパ・リーグトップ(全体2位)、同防御率1・96は12球団トップの成績を残した。西口文也監督(52)は26日にアップされたパ・リーグTV公式ユーチューブ内で「投手がいいので相手より1点でも多く。1点取られたら取り返す。大量得点は望まずに勝っていきたい。昨年の6位は何だったんだというくらいの成果を出せれば」と決意表明した。

 最大の懸案となっている得点力向上にも改善の兆しが見えてきている。鳥越ヘッドコーチ、仁志、立花両打撃コーチ、大引、熊代両ベースコーチの徹底指導で、状況を踏まえたチーム打撃が徹底され、相手の隙を見逃さず、常に先の塁を狙う走塁意識にも大きな変化が生まれてきた。

 しかし、それだけではない。打席の中で向かってくる相手投手を攻略するためには敵を知る必要がある。膨大なデータから必要な部分だけを抽出し、選手とのやりとりの中で情報を〝戦力〟に変える役割を担っているのが、今季からチーム付きとなった亀井猛斗データ統括ディレクター兼一軍ヘッドスコアラー(56)だ。

 西口監督たっての希望でヘッドスコアラーとなった亀井氏は、2022年まで先乗りスコアラーとして活動。相手チームの試合前練習を終始ネット裏から鋭い目を光らせ、対戦投手や野手の状態の小さな変化も敏感に察知し、山賊打線を陰から支えた名スコアラーだった。

 今年のオープン戦でも、終盤の5試合で打率6割6分7厘(6打数4安打)、3打点の活躍を見せた野村大樹内野手(24)も亀井ヘッドスコアラーに絶大な信頼を置く一人だ。

「僕はデータをめちゃくちゃ見ている。亀井さんに出してもらったデータと僕の攻められ方、それまでの対応だったりを加味して『ここはこういう攻められ方で来るかな』という考え方で完全に待っています。そこは亀井さんを100%信頼しています」

 さらに「僕的には情報が多い方がいい。情報を削らなくても、見るところは決めているんで。そこを亀井さんと合わせて『このピッチャーどうですかね? 僕はこう思うんですけど』と2人で映像を見ます。『初球はこういう入りが多いけど、最近はこういう攻め方してるよ』というやりとりをしながら、僕の状態と合わせて2人で話して『じゃあ、こういこう!』と整理して入る感じです。それが外れていたらしょうがない。2人で決めたことなので」と打ち明けた。

 打撃が改善されつつある背景には選手個々の努力もさることながら、裏方スタッフと一体となった〝連係プレー〟も隠されている。