種目増加のメリットとデメリットは――。国際オリンピック委員会(IOC)は2028年ロサンゼルス五輪の出場枠などを決定し、競泳は自由形のみだった50メートル種目に背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライの3泳法が追加されることになった。

 競泳ニッポンは24年パリ五輪で21世紀最少のメダル1個と〝惨敗〟。50メートル種目にも門戸が開かれたのは、現役選手のモチベーションアップにもつながる。五輪3大会連続出場中の池江璃花子(24=横浜ゴム)は、50メートルバタフライを今季の本命種目としてトレーニングを積んできた。これまで世界選手権のみだった実施種目が五輪でも採用されたことで、ある競泳関係者は「以前から池江選手は50ならチャンスがあるのではと話していたし、メダルも狙えるのでは」と期待を寄せた。

 その一方で、未来のオリンピアンの育成という面では難しさがあるという。別の競泳関係者は「例えばだが、陸上のマラソンと100メートル走を一緒に練習するようなイメージなので、トレーニング方法を考えないといけない。分業することはなかなか簡単なことではない。短距離メインの選手が救われるかもしれないが、長距離の特性を失ってしまう選手も出てくるかもしれないので、指導者は気をつけないといけない」と指摘した。

 いずれにしても、競泳ニッポンにとって全体の底上げは必須条件。ロサンゼルス五輪での巻き返しへ、新たな強化策を練っていく必要がありそうだ。