【取材の裏側 現場ノート】11月開幕のカタールW杯へ向けて準備を進める森保ジャパンだが、現チームの発足当初に最も輝きを放ったのが、MF中島翔哉(27=ポルティモネンセ)だ。

 森保ジャパンの初陣となった2018年9月のコスタリカ戦から栄光の10番を背負うと、得意のドリブルや変幻自在のシュートやパスで攻撃陣をけん引し、瞬く間にチームの中心となった。同10月のウルグアイ戦では全得点に絡む活躍で4―3の勝利に貢献し、19年6月の南米選手権エクアドル戦(1―1の引き分け)では1ゴールを挙げてMVPに選出されるなど、世界の強豪相手に強烈な存在感を発揮した。

 そんな中島に以前、日の丸の10番を背負うことへの思いを聞いたことがある。すると普段は物静かな男が、珍しく熱い口調でこう語った。

「10番は一番いい選手、試合を決める選手が付ける番号だと思う。その役割を自分が担わなきゃいけない。攻撃面で違いを出せるようにしたい」。そこには、これまで数々のレジェンドが付けてきた日本の10番を背負う強い覚悟がにじみ出ていた。

 日本のエースとして期待された中島だが、その後は家族の問題や所属クラブの監督とのあつれき、たび重なる負傷などもあって、19年11月のベネズエラ戦以来、代表から遠ざかっている。

 それでも今季はポルトガルでリーグ戦22試合に出場してようやく復活の兆しを見せている。世界基準のスケールあるプレーは健在だけにカタールW杯に向けて〝森保ジャパン初代10番〟の代表復帰に期待がかかる。(サッカー担当・渡辺卓幸)