6週続いた函館開催のファイナルを飾るGIII函館2歳S(23日、芝1200メートル)は、1番人気のカシアス(牡・清水久)が2着ウインジェルベーラをアタマ差でかわして優勝。2015年生まれの2歳世代で最初のJRA重賞勝ち馬に輝いた。

 12年から開催6週目に組まれるようになって初めて、新馬戦ではなく未勝利勝ちからの戴冠(2着は過去2回)となったカシアス。その未勝利戦では2着に0秒6差の圧勝。開幕週の新馬戦ではナンヨープランタン(6着)にアタマ差で敗れていたが、再戦で見事にリベンジ。レースぶりも「マイルまでは全然いける。だからスタートであまり出して(先行して)行く競馬はしたくなかった。今日だってその気になればハナでも2番手でも行けた」と鞍上の浜中。先々を見据えた好位からの差し切り勝ちだった。

 6週間で3戦目の強行軍ながら、馬体重はプラス8キロ。清水久調教師は「デビュー前から動きは夏向きというか、他よりも(仕上がりが)早いなというイメージだった。2走目を使った後で(体調面は)どうかなと思ったけど、逆に毛ヅヤや馬体に張りが出て心配なく出走できた。それだけ充実しているってことでしょう」。苦戦が目立つ3戦使いを克服したのは、夏の2歳戦向きの「完成度」だったか。

 一方で「先行している2頭が楽に運んでいたから、2着馬をつかまえるのに苦労した。しっかりつかまえたのがこの馬の能力」という前述の浜中のコメントに触れると、前半3ハロン34秒5は12年以降で最も遅いペースで、1分10秒0の勝ち時計も強調できる数字ではない。出ていれば有力馬の一角だったモルトアレグロの出走取り消しもあった。さらに6週目施行になってから当レースが難しい立ち位置にあるという側面も…。現時点では出走した15頭で一番速い、という評価が妥当だろうか。

「折り合うし、がむしゃらに行く馬ではないからマイルまでは持ってほしい。朝日杯(FS)やNHKマイルといった路線の血統でしょう」と清水久調教師は今後、マイル戦線が戦いの場と見込んでいる。完成度の高さというアドバンテージで今後に出てくる強い敵にどこまで存在感を示せるか。その走りで真価が問われることになる。