【アイビスSD(日曜=30日、新潟芝直線1000メートル)得ダネ情報】新潟開催名物の直線芝1000メートルを舞台に行われるGIII「アイビスSD」は、スピード重視のコースだけでなく、開幕週の絶好馬場での施行。いかにも“韋駄天”が幅を利かせそうな舞台設定なのだが…。頂上決戦ゆえに起こる「逆転現象」。これを味方につけられる“切れ者”こそが波乱の使者となる――。

 一般的に開幕週の芝コースは「逃げ、先行馬有利」が定説だ。未使用のきれいな馬場なら、前半に飛ばせばスタミナをロスするはずの先行勢の失速度合いは軽減される。一方、後半に余力を残している差し、追い込み勢は、通常の馬場でも目一杯の末脚を駆使していることが多い。つまり絶好馬場の恩恵があっても伸びシロは少ないのだ。これが「開幕週=前残り」の基本的な仕組みとなっている。

 フラット、かつ小細工のいらない直線コースで行われるアイビスSDともなれば、その傾向は一層、顕著になりそうなものだが…。過去10年の勝ち馬の残り3ハロン地点での位置取りは9、5、2、1、7、3、1、8、3、2番手。“逃げ切り”はわずかに2例だけ。イメージを覆す傾向の背景には、もうひとつの直線競馬の“セオリー”が絡んでいるようだ。

「開幕週は普段以上に外ラチ沿いに馬が殺到する傾向があるからね。ウチの馬は真ん中くらいの枠がほしいところ」

 あえての“逆張り”を宣言したのがラインミーティアを管理する水野調教師。直線競馬は本来、外枠有利とされるが、このアイビスSDではポジション争いに敗れた馬は早々に脱落するし、強引にハナを奪った馬とて、結果オーバーペースにより失速し、当レース固有の“差し馬台頭”のシナリオづくりに加担してしまうケースが多いのだ。

 水野調教師が“千直の男”と評する、ラインミーティアのスペシャリストぶりは、そのキャリアの豊富さだけではなく、重賞級の末脚に支えられている。

「前走(韋駄天S=4着)はゲート内でカーッとして出負けしてしまったけど…。マークした上がりは直線競馬史上でも1位か2位の記録のはず」

 実際の最速記録は昨年の当レースでブライトチェリー(7着)がマークした31秒5なのだが、31秒6はこれに続く2位タイの記録。今回と同様、開幕週施行だった3走前の邁進特別(1000万下)でも、同じく31秒6の上がりをマークして差し切っている。この直線芝1000メートルに限れば、紛れもなく最上級の脚が使える“切れ者”…それがこのラインミーティアなのだ。

 師が希望する先手争いに巻き込まれない「真ん中くらいの枠」をゲットできれば、タイトル奪取も夢ではない。