【札幌競馬場発秘話】「注目してもらったのに、デビューを延ばしてすみません。ただ、先週ぶつけなくて正解だったかも。冷静に見て現時点であの馬には勝てなかったでしょうから」

 週明けの札幌競馬場で角田厩舎の上村記久生助手が当方に頭を下げてきた。デビューを延ばしたのは、先週取り上げたローエングリン産駒の新馬ブロンズケイ。かなわないと思わせたのは、予定した日曜芝1800メートルで着差(1馬身1/4)以上の楽勝だったダービー馬レイデオロの全弟レイエンダ。「抜け出す時の脚が他馬とは全然違ったし、2歳馬らしからぬ走り。評判になるはずです」と、一時はファイティングポーズを取った同助手も舌を巻く勝ちっぷりだった。

「2週目は四位騎手が空いておらず、結局、3週目にスライドです。馬は出来上がっているので維持がカギですが、そこは待っただけの結果を出さないと」と上村クン。当方も楽しみは後に取っておくことにしよう。

 その一方、札幌開幕週でレイエンダ同様に存在感を見せつけたのは、同馬の手綱を取った名手クリストフ・ルメール。先週は5勝2着3回3着3回。騎乗したレースの約70%で馬券に絡む大活躍だった。

「ゲートで立ち上がって出遅れた時はやばいと思ったけど、やっぱり上手ですね。カッとなりやすい馬をリラックスさせて、発馬の不利を忘れるくらい勝負ところは余力十分。長丁場で乗ってもらいたい騎手の筆頭でしょう」

 こう語ったのは土曜・阿寒湖特別(1000万下、芝2600メートル)を完勝したステイパーシストを担当する前田廣宣助手。札幌記念の大本命馬モーリスをネオリアリズムで負かした昨年は記憶に新しい。今年もルメールが札幌競馬のキープレーヤーとなりそうなムードである。

 さて、その意味でも今週土曜メーン・札幌日経オープン(5日、芝2600メートル)は、ルメールが4走ぶりに手綱を取るモンドインテロに期待しよう。昨年のこのレースでオープン2勝目を挙げて以降、勝ち星から遠ざかるだけに、担当する藤井省二助手も賞金加算に大いに力が入っている。

「普段はウッドで乗っている馬。ダート調教だとスピード感が狂いがちですが、昨年より1週早めの入厩が大正解。珍しくカイバをしっかり食べて滞在効果を感じます。京都で2勝しているように平坦右回りはベストだし、この馬の脚の使いところを最も知る鞍上。実りの秋を迎えるためにもここは取りこぼしたくない」

 先週同様、陣営に“やっぱり違う”と言わせる競馬ができるのか。名手の手綱さばきに注目だ。