サマー2000シリーズ第3戦のGIII小倉記念(6日=小倉芝2000メートル)は、4番人気のタツゴウゲキ(牡5・鮫島)が優勝。M・デムーロの負傷により乗り替わった秋山が見事な手綱さばきで代役を完璧にこなしたが、その勝利が意味するものとは? 検量室での取材から検証する。

 小倉記念でタツゴウゲキに騎乗予定のM・デムーロが、7Rでアクシデントに巻き込まれる形で落馬(脳震とう及び左側頭部打撲で8R以降の4鞍が乗り替わり)。宙に浮いてしまった鞍上の選定が大きなポイントだった。

「52キロに乗れなければならないというのもあったし、フワッと乗ってくれそうな騎手がこの馬に合っていると思った」

 鮫島調教師が指名した代役は秋山。その期待に応える騎乗を38歳のベテランが見せた。

 速いペースに巻き込まれてもおかしくない3番手からの競馬。だが、内ラチ沿いに収まり、折り合いに専念することで消耗を極限にまで抑えることに成功する。直線では外を回ったサンマルティンがひと足先に先頭へ躍り出たものの、馬群をさばいたタツゴウゲキがこれに猛然と襲い掛かって壮絶な追い比べに。ハナ差の激戦を制したのはロスなく立ち回った秋山=タツゴウゲキのほうだった。

「七夕賞で一緒に乗っていましたからね(フェルメッツァに騎乗して5着)。不利がなければという内容だったし、雰囲気もつかめていました。乗った感じも良かったですよ」

 天才肌に見られがちなタイプだが、細やかな観察力に加え、軽量でも騎乗できるように体重を維持するなど、チャンスを逃さない努力を続けてきた。今回は“代打”という形で結果を出したが、チャンスさえあれば結果は出せる――そんなJRA騎手としての意地を見るゴール前のデッドヒートではなかったか。

 重賞勝ち馬となったタツゴウゲキは9月3日のGIII新潟記念(芝外2000メートル)への参戦が濃厚。鮫島調教師は「七夕賞(6着)の後にさらに良くなって疲れも残らなかった。本格化しているのかもね。次も同じようなら…可能性はある」とサマー2000シリーズ優勝への色気を隠さない。

 その時のタツゴウゲキの背には誰がいるのか? ちなみにM・デムーロから乗り替わった小倉8R以降の騎乗予定馬は〈2・1・0・1〉。この結果の取り方は人それぞれだが、秋山を筆頭に“埋もれかけた”実力者は確実にいるということだ。