【平松さとしの重賞サロン】高橋義忠調教師の父は高橋成忠元調教師。義忠師自身、開業前は父の厩舎で調教助手をしていた。

 当時、ダービーを含むGI・4つを勝ったメイショウサムソンが厩舎から生まれた。2007年、同馬に凱旋門賞挑戦のプランが出た。話は具体化し、メイショウサムソンも出国前の国際検疫厩舎に入った。しかし、そこで思わぬアクシデントが起きる。当時、馬インフルエンザが流行。メイショウサムソン自身、ウイルスに侵されてしまったのだ。簡易検査の際、陽性反応が示される瞬間を目の当たりにしたのが高橋義忠師だった。

「準備を整え全て順調にいっていた矢先だっただけに悔しかったです」
 遠征用に特別にあつらえた日の丸付きゼッケンをたたみながら当時、そう語っていた。

 そのゼッケンが日の目を見たのは翌08年。陣営の2年越しの思いを乗せてメイショウサムソンは凱旋門賞に出走した。結果はザルカヴァの10着に敗れ、高橋師は「馬自身がこちら(フランス)の競馬に慣れないと勝つのは難しい」と語ったが、それでも1年前と違い、出走にこぎつけたことには満足そうな表情を見せた。

 今週末の札幌ではエルムS(日曜=13日、札幌ダート1700メートル)が行われる。高橋義忠厩舎からは昨年2着のクリノスターオーが出走予定だ。今回、1年前の悔しさを吹き飛ばす結果となれば、それはもう先頭でのゴールしかない。