【マイルチャンピオンシップ(日曜=19日、京都芝外1600メートル)栗東トレセン発秘話】先週のエリザベス女王杯で16着に敗れたジュールポレールが当初、下半期の目標にしていたのは別のGIだった。

「ウインガニオンとジュールポレールとハクサンルドルフ。この3頭を揃ってマイルチャンピオンシップに使いたいね」

 秋競馬開幕時、西園調教師はこんな野望をぶち上げたのだ。ではジュールポレールはなぜ実績のあるマイル戦を捨て、距離経験のないエリザベス女王杯へ向かうことになったのか?

 トレーナーが記者にポツリと漏らしたのは「マイルCSは同じオーナーの馬が使うみたいだから…」。いわゆる「使い分け」。同じG1レーシングのペルシアンナイトを指すことは明らかだろう。

 結局、G1レーシングはサングレーザーも前哨戦のスワンSを快勝したことで、「有力馬2頭出し」でマイルCSに臨むことに。何やらこの社台系新興クラブ法人が、今年のキーポイントになるような気がする。そして2頭のうち、記者がより気になるのはペルシアンナイトの方だ。

「GI馬アルアインを筆頭に、未勝利からオープンまで、調教で池江厩舎のいい馬にたくさん乗せてもらってますけど、この世代では一番雰囲気がある。自分が競馬で乗ってみたいと思うのはペルシアンナイトなんですよ」とは水口ジョッキー。特にこの後の証言は軽くは扱えない。「自分が調教で乗っているイメージではサトノアラジンとダブるんですよね。中距離でも走るけど、マイルでためたらグンと伸びるんじゃないかという感じ」

 春の安田記念の覇者とダブるとなれば、マイル王戴冠の資格は十分。ではなぜ前哨戦の富士Sでは5着に敗れたのか? これには担当の斉藤助手がこう回答してくれた。

「ハービンジャー産駒だけど、“サンデー(サイレンス)っぽい”って乗った誰もが言いますから。跳びがきれいで、スパッと切れる脚がある。だから前走はあれだけ馬場が悪くなったのがこたえました」

 さらに補足すると、このペルシアンナイトという馬は、いつも放牧帰りは体を減らして戻ってくるのだという。過去最長の5か月の休み明けで調整が難しかったうえに、不得手の不良馬場。富士Sは「5着止まり」というよりは、「よく掲示板に載った」と捉えるのが正解なのかも。

 大きな上積みが見込める叩き2走目、さらにパンパンの馬場で競馬ができるようなら…。エリザベス女王杯ではもう1頭の担当馬ミッキークイーンで惜しい3着に泣いた斉藤さんが、今度はモズカッチャンを見事に勝利に導いたミルコ・デムーロを味方にして、笑うことになるかもしれない。