交流戦を10勝8敗で終え、首位・広島に3ゲーム差の2位・阪神。23日からのリーグ戦再開ではそのライバルといきなり敵地で首位攻防戦を迎える。正念場を前に、本紙評論家の伊勢孝夫氏が金本知憲監督(49)に3つの注文をつけた。

【伊勢孝夫 新IDアナライザー】阪神にとっては上々の結果で交流戦を終えることができた。若手野手も少しずつ育ち始め、金本監督の采配も冴えている。ただ、ここからの戦いで注意すべきことは「むちゃをせずにセオリーを守る」ということだ。

 気になったのが18日の楽天戦。初回無死一、二塁の場面で3番・中谷に打たせて空振り三振に倒れ、結局、この回無得点に終わった。相手投手が岸ということを考えると、あの場面は犠打で走者を進め、まずは1点を取るべきだった。

 金本監督はバントを好まず、チャンスでは選手を信じて打たせることが多い。好機に強い打者に育てたいという信念を感じるが、優勝を狙う上ではそれが命取りになることもある。育成も大事な任務だが、何より優先させるのはチームの優勝。その意味で若手選手への過度の信頼は禁物だ。投手力がリーグ屈指とあれば、なおさら。リーグ戦再開1発目の広島との戦いや、勝負どころとなる夏場の戦いでは手堅い攻めをすべきだ。

 中継ぎ陣がどの投手も調子が良すぎるなか、ここは思い切って勝ちパターンと負けパターンを完全分業にすることも勧めたい。2005年の阪神はウィリアムス、藤川、久保田の「JFK」でリーグVを果たしたが、今回は桑原、マテオ、ドリスの「KMD」を勝ちパターン限定にし、高橋、岩崎らを同点やビハインドで起用する。確かに高橋、岩崎らを負け展開で使うのは酷な気もするが、役割を明確にすることで選手の体への負担は少なくなり、シーズン終盤の安定した戦いを望むことができる。

“カモ作り”も重要事項だ。商売において、お得意様を作ることは繁盛する上で欠かせない。野球でも同じ。ペナントで優勝するチームには必ず大きく勝ち越す“カモ”がいる。広島はすでに10勝1敗と巨人をカモにしているが、阪神も早く見つけるべきだ。私が見る限り主砲・バレンティン、正捕手・中村が不在のヤクルトがその筆頭候補だろう。ここから8〜10くらいの貯金を作るつもりで叩くべきだ。(本紙評論家)