現役最年長野手のロッテ・井口資仁内野手(42)が20日、本拠地・ZOZOマリンスタジアムで記者会見に臨み、今季限りでの現役引退を発表した。

「今季限りでユニホームを脱ぐことを発表させていただきます。ファンの方には1試合でも多く、見に来ていただきたい。残念ながらチームは苦しい状態にありますが、まだ70試合以上残っているので、自分の力を出し切りたいと思う。チームとしても、みんなで一緒に一つでも上の順位を目指したい」

 引退を決断したのは昨年だった。2013年に日米通算2000安打を達成したころから、引き際を考えていた。昨オフの契約更改の際、球団側には「もう1年、頑張らせていただきたい」と今季限りでユニホームを脱ぐ考えを伝えていた。開幕カードのソフトバンク戦では、プロ入り時の監督でもある王球団会長にも自らの意思を伝え「残りのシーズンを悔いのないよう、目いっぱいやってくれ」と励まされたという。

 開幕前に引退の意思を公表することも考えていた。しかし、ロッテは今年のオープン戦でダントツの首位。チームの勢いに水を差してはいけないと考えて、発表を差し控えた。このタイミングでの発表には、なるべく多くの人に最後の勇姿を見てもらいたいとの思いがあった。昨季限りで現役を引退した元レッドソックスのデビッド・オルティスが前年オフに早々と引退を表明し、ファンに惜しまれながらユニホームを脱いだことにも影響を受けたという。

 会見に先立って、この日の全体練習前に伊東監督をはじめ、ナインにもあいさつした。「これからリーグ戦再開というときに、しんみりさせてしまって申し訳ない」と恐縮しつつも、同時に、自らの決意を明かすことが最下位に低迷するチームの“起爆剤”になればとの思いもあった。

 引退会見では過去の思い出を語ることが一般的だが、井口はそれをかたくなに拒否した。プロ入り、ダイエー(現ソフトバンク)時代の初優勝、メジャー移籍、ホワイトソックスでの世界一、ロッテでも日本一…振り返る要素はいくつもあったが「それ以上の思い出を作りたい」と話した。

 会見の最後には選手会長の角中勝也外野手(30)と、キャプテンを務める鈴木大地内野手(27)から花束を贈呈された。「まだ辞めるわけじゃないからな」。井口は後輩たちの気遣いを喜びつつも、残された現役生活で完全燃焼することへの意欲をのぞかせた。

 井口は東京・国学院久我山高から青学大を経て1996年のドラフトでダイエーを逆指名して1位入団。小久保、城島、松中らと黄金期を築き、2度の日本一、3度のリーグ優勝に貢献した。2005年に米大リーグ、ホワイトソックスに移籍し、08年までフィリーズ、パドレス、フィリーズに在籍した。09年にロッテ移籍。翌10年の日本一に貢献し、13年には日米通算2000安打を達成した。

 日本球界での通算成績は20日現在で1885試合に出場し、打率2割7分1厘、1749安打、250本塁打、1010打点、176盗塁。今季はここまで35試合に出場し、打率2割5分7厘、19安打、1本塁打、8打点の成績を残している。