セ・リーグ首位の広島が8日の中日戦(ナゴヤドーム)に延長12回の末に1―1で引き分け、2位の阪神が巨人に敗れたため、優勝へのマジック33を点灯させた。しかも25年ぶりにリーグ制覇した昨年と1980年の8月24日を大きく上回る球団最速だ。早くも連覇へのカウントダウンが始まり、MVP争いも過熱してくる。そこで東スポグループ総勢25人の野球記者による「先行MVP投票」を実施。栄えある栄光に輝いたプレーヤーは――。(成績は8日現在)

 本紙が実施した「先行MVP投票」は実際の投票同様、野球担当の記者がそれぞれMVP候補3人を選び「1位5点、2位3点、3位1点」で点数化し、合計点の多い選手が最高殊勲選手(MVP)となる。広島が25年ぶりにセ・リーグを制した昨年も本紙は「先行投票」を行っており、“本番”と同じくベテランの新井貴浩内野手(40)が最多得票で圧勝した。

 今季の広島は上位打線が安定した成績を残しており、機動力でかきまわし最終的には打ち勝つ試合が多い。その中でも1番・田中広輔内野手(28)は盗塁がリーグトップ。3番・丸佳浩外野手(28)は打率と打点がリーグ3位、出塁率は同2位だ。4番・鈴木誠也外野手(22)は堂々の打点王で、後に控えるブラッド・エルドレッド外野手(37)もリーグ2位の24本塁打と打線に穴がない。超人的な守備でチームのピンチを何度も救っている2番・菊池涼介内野手(27)を含めて、いずれも貢献度は高い。

 一方、投手陣は2年目の岡田明丈(23)と3年目の薮田和樹(25)がともに10勝を挙げ、揃って球宴に初出場する活躍ぶり。4年目の大瀬良大地(26)は開幕から負けなしの7連勝中で、昨季最多勝の野村祐輔(28)は防御率がリーグ2位と今季も安定した投球を続けている。

 ただ、投打のヒーローがいずれも特出した数字というわけではなく、チームが一丸となって白星を重ねてきた。それだけに票は割れるかと思われたが、25人中22人が1位に推し、ぶっちぎりで「MVP当確」としたのが若き4番・鈴木だ。

 3月のWBCでは日本代表に選ばれ、開幕から全試合でスタメン出場。4月後半から4番に定着した。22歳ながら主砲の重圧をはねのけ、打率3割4厘、23本塁打、82打点、13盗塁と文句なしの成績をマークしている。この日の中日戦でも7回一死から同点打を放ち、勝負強さを示した。強肩を生かした守備での存在感も大きい。

 2位の丸は交流戦で4割1分1厘、5本塁打、18打点と大活躍。6月16日のソフトバンク戦(マツダ)では3打席連続本塁打を放つなど、強烈な印象を残した。薮田との3位争いを制した大瀬良は7勝0敗で勝率がリーグ1位の10割。どこまで無敗が続くか注目だ。

 なお、過去には3冠王に輝いたロッテ・落合やシーズン210安打を達成したオリックス・イチローなど優勝チーム以外からMVPに選出されたケースもあり、勝利数と防御率で2冠の巨人・菅野智之投手(27)や打率2位、出塁率1位の巨人・坂本勇人内野手(28)にも票が入った。