首位楽天をマイナス1ゲーム差で追うソフトバンクは10日のロッテ戦(ZOZOマリン)に6―5で辛くも逃げ切り勝ち。先発の東浜は7回途中5失点ながらリーグトップの12勝目をマーク。3冠王を期待される柳田も初回にバックスクリーン越えの特大3ランで存在感を発揮し、工藤監督は「展開的にはあまり良くなかったけど、手数で勝てたんじゃないか」と汗をぬぐった。

 ライバルの楽天は延長11回の末に日本ハムをサヨナラで下し、3位西武はオリックスに13連勝後初のカード負け越し。背後に迫っていた獅子の足音は6・5ゲーム差と遠のいたが、ソフトバンクにとって歓迎すべき事態でもないようだ。達川光男ヘッドコーチ(62)は「うちは楽天に負け越しているが西武には強い。西武は楽天に強い。マッチレースになるより三つどもえになったほうが都合がええんよ」と言う。

 確かに今季のソフトバンクは楽天戦で6勝9敗と苦戦しているが、西武には11勝7敗と4つ勝ち越し。しかも11勝を挙げて防御率も2・06でリーグトップの菊池はプロ入りからソフトバンク戦未勝利で、対戦を回避しているほどだ。

 一方で、楽天に勝ち越しているのは8勝7敗の西武だけ。達川ヘッドが言うように、西武が逆転Vというモチベーションを持ち続けてくれたほうがソフトバンクにも有利に働くというわけだ。

 スパートをかけてライバルを突き放すのがベストだが、武田の不調や石川の“息切れ”などもあり「和田が9月頭(1〜3日)の楽天戦(ヤフオクドーム)に間に合うようならスパートをかけられる可能性もあるが、現状ではローテーション通りにマイペースでゴールを目指すしかない」というのが達川ヘッドの見立て。「過去には1992年のヤクルトのように、マジックがどこにも点灯しないまま優勝した例がある。今年はそうなるかもしれんで」。気が抜けない戦いはまだまだ続きそうだ。