【ノースカロライナ州シャーロット9日(日本時間10日)発】10日開幕の「全米プロ」(クウェイルホローC=パー71)を前に、欧州の名コーチ、ピート・コーウェン氏(英国)が松山英樹(25=LEXUS)のメジャー制覇に太鼓判を押した。昨年の「全英オープン」覇者、ヘンリク・ステンソン(41=スウェーデン)ら多くのトップ選手を指導するコーウェン氏は松山にも時折、アドバイスを送る間柄。そんな名伯楽が松山の進化を語った。

 開幕前日の松山はコースには出ず、練習場で入念にショット、パット、アプローチの感触を確かめた。月曜日にアウト9ホール、火曜日に18ホールの練習ラウンドをこなし、コースは十分に把握した様子だ。

 松山も約3時間を過ごした練習場で、ひときわ多くの選手の指導に当たっていたのがコーウェン氏だ。ステンソンのほかにも、昨年の「マスターズ」を制したダニー・ウィレット(29=英国)、パドレイグ・ハリントン(45=同)らメジャー覇者を数多く指導。この日は元世界ランク1位のルーク・ドナルド(39=同)、予選ラウンドで松山と回るイアン・ポールター(41=同)にアドバイスする姿も見られた。

 そんなコーウェン氏を本紙が直撃。松山のスイングについて尋ねると「昨季までと比べると、アドレスが安定して、スイング中の肩の動きをコントロールできるようになっている。彼はゴルフのスイングを非常に高いレベルで理解しているね」。米ツアー参戦当初から時折、指導してきた“教え子”の進化に目を細めた。

 さらにコーウェン氏は「彼とはコースによって異なる芝への対処法など、アプローチやバンカーショットについても話をしてきた」と明かした。松山の武器であるショットはもちろん、ショートゲーム、パッティングを含めたあらゆる面で「レベルアップしている」と続けた。

 そのうえで今大会のポイントに挙げるのがグリーン周りのアプローチ。深いバミューダ芝のラフはボールをすっぽりと包み込む。さらに連日の雨で重くなっており「ベリー、ベリー、ディフィカルト」(とてもとても難しい)。練習ラウンドでは多くの選手が大きくスイングできない近い距離のアプローチに苦戦している。これまでのコーウェン氏のアドバイスを生かし、いかにピンチをしのげるかがVへのカギと言っていい。

 ズバリ今大会での松山の勝算を聞くと「日曜日には彼がチャンピオンになっているかもしれない。その可能性は十分にある。もし、今大会ではなかったとしても、3年もあれば彼がメジャーを勝つのに十分な時間だろう」と語った。

 松山は10日午前7時45分(同午後8時45分)、ポールター、アーニー・エルス(47=南アフリカ)とともに10番から第1ラウンドをスタート。日本人男子初のメジャー制覇に向けた戦いが幕を開ける。