WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ(23日、東京・大田区総合体育館)は王者・田口良一(30=ワタナベ)が9ラウンド24秒、TKOで同級1位のロベルト・バレラ(24=コロンビア)を下し6度目の防衛に成功した。

 9ラウンドの立ち上がり、田口の右ストレート、左ボディーを被弾したバレラは棒立ちのようになった。さらに右ストレートが入ったところで、レフェリーは試合を止めた。一度のダウンもなかったが、内容は横綱相撲の圧倒。田口が盤石のボクシングで6度目の防衛に成功した。

 試合開始のゴングとともに飛び出したのはバレラ。右を大きく振り回し、さらにスイッチを多用して、強引に主導権を取りにいった。

「常に先手を取るようにしたい」と話していた田口は先制攻撃をしかけられた形となったが、すぐに反撃。昨年大みそかのV5戦から約7か月も間隔が開いたことで、トレーニングに左投げのキャッチボールを採用。そのかいあって、かなりの遠投もできるようになった成果は左ボディーに出た。

「練習でやってきたことを信じて打った」と話したパンチは、1ラウンドにいきなりバレラをフラつかせ、その後も確実にダメージを蓄積させていく。

 これでスタミナを奪われた挑戦者は、動きも鈍くなる。3ラウンドに「スリップ」でヒザをついた際はなかなか立ち上がらない。5ラウンドからは両手をダラリとたらして距離を取るようになるなど、時間稼ぎをするようになる。

 さらに田口がロープに詰めてラッシュをかけた際には、バレラはロープに腰掛けるような姿勢を取り、田口陣営が「ダウンだ!」と猛抗議するシーンもあった。

「前回(引き分け防衛だったV5戦)がふがいなくて、皆さんに無駄な時間を使わせてしまった。それを払拭したくて」と燃える田口は、コーナーに追い詰めた際に勢い余って足を滑らせ、豪快にスリップする珍しい光景も見られた。

「8回までで全部スタミナを使おうと思った」という作戦だったが、その8ラウンドは左で相手の動きを止め、「残りは気持ちで戦う」と臨んだ9ラウンドも、まだ十分に残っていたパワーで猛ラッシュ。最後はバレラが戦意を失ったような形でレフェリーストップとなった。

 これで期待されるのはWBO王者・田中恒成(22=畑中)との統一戦。試合後、リングに上がった田中に「年内に(統一戦で)向き合えたら」と振られると「田中選手もきっと9月のV2戦に勝つと思う。すごい面白い試合になると思います」と応じた。

 不完全燃焼の引き分け防衛から一変して、ランク1位の指名挑戦者を寄せつけない圧勝防衛。統一戦が実現すれば、田口が言う通りの内容になりそうだ。