【アスリート 美ューティー TALK】2020年東京五輪は24日で、開幕まであと3年を迎えた。着々と準備が進むなか、兄妹でダブル金メダルを狙うのが柔道男子66キロ級の阿部一二三(19=日体大)と妹で女子52キロ級の阿部詩(17=兵庫・夙川学院高)だ。美しさと強さを兼ね備えた女子選手に迫る好評連載「アスリート 美ューティー TALK」では“東京五輪の星”詩に母校で直撃インタビュー。金メダル獲得後に描くVポーズから強さの秘密、プライベートの素顔まで超新星が本音で語った。

 ――東京五輪まであと3年。長いか短いか

 詩:短いと思います。いろんなことをしないといけないっていうのもありますし、やっぱり楽しみなことがあると時間って短くなるって言うじゃないですか。なので、短いのかなって。

 ――2013年9月、東京五輪が決まったあの瞬間の気持ちは

 詩:生放送で見ていてドキドキしていました。あの人(国際オリンピック委員会のジャック・ロゲ前会長)が紙を読み上げるまでは。「TOKYO」って言って、ワーって言って寝ました(笑い)。五輪、五輪って言ってたんですけど、中学1年の時ですからね。そんな強い意識は持っていなかったです。

 ――東京五輪で思い描く景色とは

 詩:よく勝手にイメージするんですけど、お兄ちゃんと2人でメダルを取って、お父さんとお母さんにメダルをかけてるっていうのは勝手に想像しています。メダルの色? 金メダルですね。一番そこで輝きたい。

 ――決勝の勝ち方は

 詩:一本勝ちっていうのは一番、気持ちいいかなと思うんですけど、五輪の決勝まで行ったら、勝ちにこだわってしまうのかなって思います。

 ――昨年のリオ五輪で印象に残った試合は

 詩:田知本(遥=26、ALSOK)さんの決勝とか、大野将平(25=旭化成)さんの試合がすごかったです。

 ――大野選手は優勝後も派手なポーズを控えた

 詩:かっこいいですよね。あの柔道は見ててすごいなと思います。

 ――自身が優勝したらどうなる

 詩:五輪で優勝したら自分はガッツポーズしちゃうんじゃないかなって思います。(逆に)五輪まではガッツポーズしないですね。なんか恥ずかしいです。全国大会で優勝してガッツポーズ…全然いいと思うんですけど、ちょっとできないかなっていうのは思います。

 ――東京五輪で試合以外の楽しみは

 詩:どんなふうに東京がなるのかなって。いろんな人が集まったりすると思うんですけど、終わった後の反響とかすごいのかなっていろいろ思ったりします。(試合が終わったらしてみたいことは)優勝して自分の食べたいものをいっぱい言って、もらうっていうのが夢ですね。今はフルーツが挟まったサンドイッチがあるんですけど、それが一番食べたい。それを山ほど…。

 ――今年は4月の選考会に敗れ、世界選手権の代表になれなかった

 詩:考えたらすごい悔しくなるんですけど、自分の油断っていうか、心のスキがあったのかなと思います。どんな試合に対しても、しっかり勝ち切ることが課題です。

 ――自身の強み

 詩:相手に向かっていく気持ちは誰にも負けないっていうふうに自信を持っています。あとは前に出て、一本で投げるっていうところは自分の柔道だと思います。

 ――身体的な特徴は

 詩:手と足はでかいですかね。(手は兄と比べ)一緒か、私のほうがちょっとでかいかな。家族で一番大きいと思います。でかいほうが有利なのかなっていうのはあるんですかね。足も指がすごい開くんです。それで(畳を)かめるんで、そこは結構、特徴です。

 ――お兄さんはどんな存在

 詩 一番身近にいる、一番尊敬できる柔道選手です。あんな柔道できると思わないし、同じ遺伝子を受け継いでいるのかなってすごい不思議になります。でも、ドイツ(グランプリ大会)で優勝して少しは血もつながっているのかなっていうのは思いました。

 ――期待を感じるか

 詩:プレッシャーがすごいありますね。でも、そのプレッシャーも関係なく勝つのが一流選手だと思っているのでそのプレッシャーを自分の力で変えて勝っていきます。

 ――趣味は

 詩:ユーチューブとかDVDを見ることです。SF映画とかアクション映画がすごい好きですね。「アベンジャーズ」とか。(柔道以外のスポーツは)ボクシングとか結構見ます。何も分からずに見ているんですけど、面白いので。あと(総合格闘技イベント)「RIZIN」とか。大みそかは紅白じゃなくRIZINを見ます。全然面白いです、そっちのほうが。変わってますよね(笑い)。

 ――好きな芸能人は

 詩:かっこいいなって思うのは(俳優の)竹内涼真さん(24)ですかね。顔、すべてがかっこいいなと思います。

【恩師はこう見る】東京五輪ダブル金の可能性について兄・一二三の恩師でもある夙川学院高の松本純一郎監督(49)は「日本の代表レースを乗り切ったら兄妹で金を取れると思う」と話した。すでに世界トップレベルにある一二三に対し「詩の場合は行けるかどうか、まだやってみないと分からないですね」。しかし出場権を得れば、大舞台には強い。「チャレンジ心旺盛で自分がどれだけ強いのか試したい」という兄に対し、妹は「後輩の面倒見るし、クラスでも優等生。お利口なんです。全然、気質は違いますね」と性格は対極。ただ、柔道に関しては「スタイルはよう似ている」。生まれ持った闘争心、アグレッシブな姿勢はそっくり。松本監督は「一番大事な時期を預かる。私たちは命がけでいかなきゃ」と使命感を燃やしている。

☆あべ・うた=2000年7月14日生まれ。兵庫・神戸市出身。5歳から柔道を始め、中3で全国中学校体育大会優勝。昨年は講道館杯3位、グランドスラム東京大会2位と躍進。今年2月のグランプリ・デュッセルドルフ大会で史上最年少優勝。得意技は内股、袖釣り込み腰。158センチ。