柔道世界選手権(8〜9月、ハンガリー)男子66キロ級代表の怪物・阿部一二三(19=日体大)が“妹の影”に猛奮起した。

 26日、日本代表選手団の壮行式が東京・文京区の講道館で開かれた。初出場の一二三は「すごいたくさんの人に応援してもらっているなと感じました」と表情を引き締めたが、ここにきて大きな刺激を受けているのが妹の詩(17=兵庫・夙川学院高)の活躍だ。

 詩は世界選手権出場を逃したものの、23日の金鷲旗柔道大会では決勝でも4人抜きを決める暴れっぷり。孤軍奮闘ぶりが大きな話題をさらった。「その前(の試合)も結構、抜いていた。1日20試合ぐらいしていた。やばい…」とさすがの兄も開いた口がふさがらない。

 さらに、詩は今後の伸びしろも十分と言われている。2人の恩師である夙川学院高の松本純一郎監督(49)は「センスは詩のほうがある。彼女は天才」と公言する。「今は『阿部一二三の妹』と言われますけど『阿部詩のお兄ちゃん』と言わせるように彼女を育てたい」と期待している。

 もちろん、東京五輪でのダブル金メダル獲得は兄妹揃っての目標。詩の成長には喜びも大きいが、存在感で妹に後れを取ってはたまらない。

 一二三は「世界選手権はしっかり自分の柔道を出してオール一本勝ちで勝ちたい!」と力強く言い切った。