前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志(37=ワタナベ)が29日、東京港区のテレビ東京で会見し、現役引退を発表した。

  昨年大みそかの同級タイトルマッチで王者ジェスレル・コラレス(26=パナマ)に判定負け。昨年4月には同じコラレスに2回KO負けで王座陥落しており、この連敗を喫してから、去就を明らかにしていなかった希代の名王者が、ついにグローブをつるす決断をした。

  内山は「4月ごろには何となく(引退することを)決めて、最終的に決断したのは6月末ぐらい」と話し、理由については「100%追い込んで練習することができなくなった。必死に練習してリングに上がるのがモットーなのに、これで試合をしたら、うそをつくことになる」と説明した。

  2015年に手術した左ヒジの状態も思わしくなく「試合をやるとなったら、もう一度手術しなければならない。それからさらにリハビリで必要な時間のことも考えると…」。

  10年1月に世界王座を奪取すると、国内歴代3位となる11度連続防衛を果たし、そのうち9試合をKOで決めた。「KOダイナマイト」の異名を取ったが、試合前の会見では「狙うことはせず、結果としてKOになればいい」が決まり文句だった。だが「実は練習の時から倒すことを狙ってやっていました。試合でも効いたら倒す。KOじゃないと面白くないと思っていました」と打ち明けた。

  思い出に残るファイトとして挙げたのは、まず三浦隆司(33=帝拳、後のWBC世界スーパーフェザー級王者で当時の所属は横浜光)とのV3戦。そして、三浦戦後に痛めた右拳を手術したため、11か月と長いブランクとなり「本気で打ったら拳が一発で壊れてしまうんじゃないか?」との不安を抱いてリングに上がりながら、ホルヘ・ソリス(37=メキシコ)を失神KOしたV4戦。もちろん、無敗のまま王座奪取に成功した一戦も挙げた。

  気になる今後については「まずは今日の会見をして、引退をきっちり報告することで頭がいっぱいだったので、何も考えていません」と言いつつ「猫カフェでもやろうかな」とも。「それは冗談ですけど、何かボクシングと関係ない仕事をやってみたいなという気持ちもあります」

  会見後の撮影では「もう選手じゃないですからファイティングポーズはしませんよ」と、スーツで“気をつけ”の姿勢に。だが両拳の収まりが悪いのか、すぐにいつものファイティングポーズに。もうリングで戦うことはないとはいえ、やはり「KOダイナマイト」は根っからのボクサーだった。