【ハンガリー・ブダペスト発】水泳世界選手権最終日(7月30日=日本時間31日)、競泳男子400メートル個人メドレーはチェース・ケイリシュ(23=米国)が4分5秒90で200メートルに続く優勝で2冠を達成した。瀬戸大也(23=ANA)は3連覇を阻まれ4分9秒14で銅メダル、リオ五輪金メダルの萩野公介(22=ブリヂストン)は4分12秒65で6位に沈んだ。女子400メートル個人メドレーは大橋悠依(21=東洋大)が4分34秒50で4位。“鉄板種目”で惨敗した日本は金メダルゼロで大会を終えた。

 東京五輪へ向け、華々しい一歩をしるすはずだった競泳日本が、金メダルを持ち帰ることはできなかった。男子400メートル個人メドレーは五輪王者・萩野と世界連覇・瀬戸を擁する絶対的な種目だったが、ケイリシュにまたもや圧倒的な力を見せつけられ、野望を打ち砕かれた。

 勝利の方程式はいきなり崩れた。「前半から思い切っていく」。200メートル個人メドレーでケイリシュに敗れている萩野と瀬戸は、前半のバタフライ、背泳ぎで可能な限りリードを奪い、後半逃げ切る作戦を立てた。

 ところが、最初の50メートルこそ、萩野が1位、瀬戸が2位でターンしたものの、ケイリシュが3位で追撃。100メートルのターンでは早くも先頭を奪われる。予想もしない展開だったが、ケイリシュのスピードは止まらない。得意の平泳ぎに入るとさらに加速し、世界記録に迫るペースを維持。瀬戸がなんとか意地を見せて3位に食い込んだものの、ケイリシュの強さだけが際立つ結果となった。

 200メートルバタフライ銅メダルに続き、今大会2個目のメダル獲得となった瀬戸は3大会連続メダルの偉業にも喜びはない。「タイムが全然伴ってこなかった。世界がすごく動いていると感じた」と無念の表情を浮かべた。不調だった萩野も「正直、全然勝負にもなっていない。ボクの実力はコレ」と完敗を認めた。

 最後の希望を託された大橋も失速した。200メートル個人メドレーで銀メダルを獲得。400メートルは今季世界ランキング1位の本命種目だった。バタフライ、背泳ぎで2位に上がりメダルを狙える位置にいたが、平泳ぎで伸びきれず、最後の自由形で2人にかわされた。4分29秒33で3連覇したカティンカ・ホッスー(28=ハンガリー)から大きく離され、メダルにも絡めず「悔しいです」と大粒の涙をぬぐった。

 男女とも、最も金メダルの可能性が高かった種目で頂点に届かない。今大会の日本の不振を象徴するシーンだった。全日程を終え、メダル総数こそ前回カザン大会の4個を上回る7個(銀4、銅3)だったが「金3以上、2桁メダル」の目標からは程遠い結果に。メダル獲得はもちろん、自己ベストを更新する選手が少なく、3年後に向けた強化プランの見直しは必至の状況となった。

 瀬戸は「この負けは絶対プラスになる。うまくいき過ぎたらてんぐになってしまう」と前を向き、萩野も「しっかり受け止めて、また世界で一番になれるよう頑張ります」と拳を握った。

 日本代表の平井伯昌監督(54)は「日本の五輪メダリストが伸び悩む中、海外勢の記録が伸びた。危機感を感じている」と総括した。この悔しさをバネにしてどこまで奮起できるか。東京五輪までの時間は決して長くはない。