レスリングの世界選手権が21日、フランス・パリで開幕する。男子の注目はグレコローマン59キロ級で初出場の文田健一郎(21=日体大)だ。国内予選でリオ五輪銀メダルの太田忍(23=ALSOK)に2連勝し代表に決定。国際大会でも7大会連続表彰台に上がり、一躍金メダル候補に躍り出た。体の柔軟性と無類の猫好きから「ニャンコローマンレスラー」と呼ばれる文田に迫った。

 ――世界選手権が迫ってきた

 文田:思ったよりプレッシャーがないというか気負うことなくいます。あくまで挑戦者だと思っているので自分らしさを出せればと思っている。

 ――国内外の活躍で、世界でも研究され始めている

 文田:自分でも遠征に行くたびに感じています。特に反り投げ。みんな僕が反りが得意だと知っているので、組んでくれない。逃げちゃったり、頭下げちゃったり。僕的には「勝負しろよ!」って思うんですけど(笑い)。それだけ自分を知ってもらえているので、相手の対策のさらに上にいけたら。

 ――無類の猫好きで、「猫カフェ行き」が試合前のルーティン

 文田:試合前最後のオフは減量しているので、おいしいものも食べに行けない。猫カフェに行ってドリンクバーだけ頼んで、ゆっくり漫画を読んでオフを過ごす。そこから残りの1週間で体重を落として試合というのが僕の中のルーティン。普段はいろいろな猫カフェをめぐりますが、試合前に行くところは決まっています。

 ――ムツゴロウさんみたいに「かわいい、かわいい〜」ってなで回す

 文田:いやいや(笑い)。僕はあまり。猫はあまりなでられるのは好きじゃないので。でも、たまにデレデレしてきたりするので、そこはかわいいなあって。

 ――身の回りも猫ばかりだ

 文田:好きなシールがあって、ノートや携帯カバー、いろんなものに貼っています。コラボだったり限定だったりがあるので、いろんなお店に行って探したりします。

 ――かわいい趣味だ

 文田:めっちゃ好きですね〜。みんなに変なヤツだと思われていますが、気にしません。

 ――「ニャンコローマンレスラー」「猫レスラー」と呼ばれるのは

 文田:はい、うれしいですね。猫は背骨が柔らかくて、そういうところが似ていると言われるのがうれしいですね。あと猫は(レスリングと同じで)絶対背中から落ちないので。

 ――背骨の柔らかさが優れている

 文田:よく言われますね。ブリッジは頭を離してかなりできます。中学生のころからよくブリッジをしていました。当時はまだグレコをやっていなかったのですが、父(敏郎さん。グレコで国体優勝、全日本2位などの成績を残し、現在は韮崎工高レスリング部監督)に五輪グレコの名場面集を見せられて。持ち上げてバーンと投げるすごく派手な技ばかり。父は「かっこいいだろ!」って。確かにかっこいい。父に洗脳されたんです(笑い)。

 ――お父さんの影響が大きい

 文田:当時はフリースタイルだけやっていたが、僕はタックルが全然できなくて。グレコがもう別世界、別の競技に見えた。「すげえ」って。それで、父に「これができるようになるには背中の柔軟性が必要だぞ」と言われて、しょっちゅうブリッジをするように。その時はよく分からなかったのですが、父の教えがあったからこそ今、反り投げという自分の得意技があるんだなと。とてもありがたいです。

 ――世界選手権の目標

 文田:もちろん優勝です。出るからにはこの1か月で優勝する自信がつくぐらい追い込んで世界選手権に挑みたいです。

 ☆ふみた・けんいちろう 1995年12月18日生まれ。山梨県出身。全国中学生選手権優勝を経て、韮崎工高で全国高校生グレコ選手権、国体グレコで3連覇。日体大に進学し、昨年はゴールデンGP決勝大会で優勝。昨年末の全日本選手権、今年6月の全日本選抜選手権を制し、世界選手権代表に決定した。今年はアジア選手権でも優勝。168センチ。