WBA世界ミドル級タイトルマッチ(10月22日、東京・両国国技館)で王者のアッサン・エンダム(33=フランス)との再戦に挑む同級1位の村田諒太(31=帝拳)が11日、千葉県内で走り込みキャンプを公開した。14日の打ち上げまでの日数を「指折り数えてます」と話すほどきついメニューをこなす中で聞こえてきたのは、ボクサーとして意外すぎる言葉。その意味とは――。

 ゴルフ場でのキャンプは一般営業の前後、早朝と夕方の2部練習。この日の早朝は雨で室内でのトレーニングに変更され、終了後のビュッフェ形式での朝食では「最後に甘いパンを食べようかと思ったけど、やめました」と村田は話した。

 言うまでもなくボクシングは体重による階級制のスポーツ。試合前日の計量をパスできないと王者はタイトル剥奪、挑戦者は勝っても王者になれない事態になるだけに、普段から甘いものを避けてストイックに体重管理…と思うところだ。

 だが、その後に続いたのは意外な言葉。「今のトレーニング時期は、体重を落とすわけにはいかないんです」だった。体重を落とすことはボクサーとして“前提”とも言えるのに、どういうことなのか?

 体重が減るということは、エネルギーの摂取が消費に追いついていないということ。それはもっと後の「減量期」にやるべきことで「今の時期に体重が減ると、目的が違ってしまう」(村田)。エネルギーが足りないことでトレーニングの質が落ちてしまっては意味がないということだ。

 このキャンプは「糖分を使うメニューが多いので、しっかり食べないと体重が落ちてしまう。朝はご飯2杯に、甘いパンとかを食べるようにしています」という村田がこの日パンを食べなかったのは、エネルギー消費が若干少なかったためだった。もちろん、これは村田が再戦へ向けて描く“リベンジプラン”の一環にほかならない。

 ダウンを奪いながらエンダムに判定負けした5月の試合前キャンプと比べると「前回勝てなかったわけだから、今回はそれ以上のことをしないと。無理しなきゃいけないというのはある。食事に例えるならメーンメニューが一つ増えた感じ」(村田)とあって、内容は格段にきつくなっている。それだけに、練習中には足が動かなくなりかけることも、心が折れそうになることもある。それでも「次は勝つんだと思うことが支えになっています」。

 リベンジに向けてまずは体重を気にせず食べて、走って、強くなる。