バスやタクシーなどの運転手不足改善に向け、青森県弘前市と自衛隊青森地方協力本部(青森市)が昨年4月に連携協定を締結して以降、元自衛官4人が弘前市内に本社がある公共交通機関に就職した。バス運転手として第二の人生を歩み始めた元自衛官は「地域の足として貢献できているのでやりがいを感じる」と笑顔を見せた。

 一般の公務員に比べ若い年齢で退職する「若年定年制自衛官」は、ほとんどが大型免許を取得しており、人材難が深刻な公共交通で即戦力として期待できる。

 同本部弘前地区援護センターは協定に基づき退職間際の自衛官を対象にインターンシップ(職業体験会)を開いたり、企業説明会を行うなどして再就職の橋渡しをしてきた。公共交通の人材確保に特化した協定は東北初で全国でも珍しい。

 弘南バス(弘前市)には昨年度3人が就職。本年度は7月に1人が入社する。タクシーやバス事業を展開する北星交通(同)には5月に1人が入社した。

 元自衛官の佐藤耕太郎さん(56)=弘前市=は今年1月から弘南バスの路線バス運転手として働いている。「小さい頃から憧れていた職業。再就職して良かった」と語る。弘南バス人事部の藤田潔(きよし)部長(48)は「元自衛官は使命感や忍耐力が高く、入ったばかりでも模範のようになっている」と話した。

 11日、陸自弘前駐屯地でインターンシップが開かれ、同駐屯地や青森駐屯地などの約25人が敷地内でバスやタクシーの運転を体験した。EVバスを運転した弘前駐屯地の一戸雅之准陸尉(53)は「社会に貢献できるような職業を再就職の道に選びたい。お年寄りとかの役に立てたら」と話した。