20年ホープフルS以来の勝利を目指すダノンザキッド

[GⅢ関屋記念=2022年8月14日(日曜)3歳上、新潟・芝1600メートル]

 昨年のダービー有力候補が完全復活を狙っている。今週の関屋記念(14日=新潟芝外1600メートル)でホープフルS以来の勝利を目指すのがダノンザキッド。ジャスタウェイ産駒の季節的特徴、追い切りを見たライバル調教師からの評価…。さまざまな要因からここが勝負どころだ。

 デビューから3連勝でGⅠ(ホープフルS)を勝ち、20年の最優秀2歳牡馬に選出。この時点ではダービーの最有力候補だった。が、単勝1・3倍の断然人気だった翌年の弥生賞ディープインパクト記念で3着。続く皐月賞は15着に大敗し、急転直下の「暗転」に…。懸命に復活の糸口を探った陣営が取った〝治療〟はマイル戦への特化。すると秋のマイルCSで0秒2差3着に好走し、やはりGⅠ級の器であることを証明した。

 前走の安田記念は6着に負けたが着差はわずか0秒2。まだ高次元で踏みとどまっている。「3コーナーから直線入り口にかけて手前を替えなかった。あそこがスムーズじゃないとGⅠでは厳しくなりますよね」と振り返る安田隆調教師。「あのあたりは馬の若さ。これから成長していけばそれも次第にできるようになると見ています」。まだ4歳、伸びシロは大いに残っているというわけだ。

 JRA賞タイトルホースとしての復権(1着)を目指す陣営は、前走と同じ左回りで直線の長いこの関屋記念に照準を定め、「1か月前あたりに牧場からトレセンに戻してしっかりやっています」(安田隆師)。1週前追い切りでは栗東坂路で4ハロン51・5―11・9秒という鋭い末脚を披露。その動きをモニターでたまたま一緒に見ていた佐々木調教師が「きれいに坂路を駆け上がってくるね。さすがはオープン馬だ」と称賛したという。

「佐々木調教師がああ言ってくれるのだから、それだけ良かったということでしょう(笑い)。調教方法を切り替えたのもいいほうに出ているのかもしれません」とは指揮官の弁。2走前からウッド主体→坂路主体の調整に変えたことも吉と出ているようだ。

種牡馬における季節的優位性

 トレーナーは、自らが手掛けたロードカナロアと比べてダノンザキッドの父であるジャスタウェイの季節的優位性についてこう分析する。「ロードカナロアは現役時代から夏に弱くて、その産駒も夏場はもうひとつといった印象ですけど、ジャスタウェイは夏もいいですよね。ダノンザキッドも元気いっぱいです」

 7月のデビュー戦を圧勝し、この関屋記念でも2着(13年)など、夏場も高いパフォーマンスを見せたジャスタウェイ。その産駒も夏がいいのではないかという仮説だ。確かにアウィルアウェイ、ロードマイウェイなど、夏場にも好走する同産駒は少なくない。

 もちろん夏場のこのレースをメイチの勝負で取りに来たのは「先」を見ているからにほかならない。安田記念の出走馬決定順は下から4番目の15位。この先、GⅠ返り咲きVを果たすためには、賞金加算→安定したローテを組むのが不可欠。今回はとにかく勝ちにこだわった大一番になる。

著者:東スポ競馬編集部