[GⅢ関屋記念=2022年8月14日(日曜)3歳上、新潟・芝外1600メートル]

 POGや2歳戦線の中でよく出てくるキーワードが「ポスト・ディープインパクト」。ディープなき後の馬産地にあって、どの種牡馬が天下を取るのか。そんな“ポスト・ディープ”として個人的に、というか大方が期待しているのが2020年の無敗の3冠馬コントレイルだ。そのキャリアはもちろん、非凡な瞬発力、おそらくはマイルもこなせたであろうスピード、ベスト距離ではない菊花賞も制した根性。種牡馬として成功する要素は十分過ぎる(産駒は25年にデビュー)。

 おそらく種牡馬として大成功するであろうコントレイルだが、ここまでのキャリアで唯一不満なのが“世代レベル”。もちろん彼自身の問題ではないし、評価を下げる材料ではないにせよ、現5歳のいわゆる“コントレイル世代”といってピンとくる馬が少ないのも事実。ダートや牝馬には出世馬が多い半面、クラシック3冠で戦った芝路線の男馬たちでその後にGⅠを勝った馬はゼロ…。

 ただ、ここにきてクラシック未出走だったポタジェが大阪杯を勝ち、快速逃げ馬パンサラッサがドバイターフを制覇。また、ダービー3着馬ヴェルトライゼンデが長期休養明けの鳴尾記念を勝利するなど風向きは変わりつつある。故障によるブランク、成長曲線などあってブレークし切れていないが、まだまだ実力派、個性派が隠れている世代なのかもしれない。

 そんな観点で関屋記念を眺めると…ウインカーネリアンだ。蹄葉炎による約1年のブランクを余儀なくされたが、復帰2戦目からリステッドを連勝。コントレイル世代の皐月賞4着の実力馬がようやく軌道に乗ってきた。

「脚元の不安がなくなって思うように調整できる」

前走の米子Sでリステッド連勝を決めたウインカーネリアン

「ここ2戦は自分から勝ちに行く競馬で勝ってきたし、前走(米子S)は抜け出してから遊んでいたくらい余裕があった。今は脚元(爪)の不安もなくなって思うように調教できるようになったのが大きいね」と鹿戸調教師。続けて「いいメンバーが揃うここでいい競馬ができれば、もっと上の舞台を目指していける」。結果次第で秋のGⅠも視界に入ってくる。

 タイトルホルダー、エフフォーリアを筆頭に勢いある4歳世代。クロノジェネシス、グランアレグリアという歴史的名牝にけん引された6歳世代。その間に隠れて存在感の薄かった5歳世代だが…「やっぱりコントレイル世代は強かった」と思わせるような走りを期待したい。

著者:山口 心平