マリアエレーナと松山弘平

小倉記念2022

[GⅢ=2022年8月14日(日曜)3歳上、小倉・芝2000メートル]

 14日、小倉競馬場で行われたサマー2000シリーズ第3戦のGⅢ小倉記念は、2番人気のマリアエレーナ(牝4・吉田)がレース史上最大となる5馬身差の圧勝で重賞初制覇を飾った。これまで重賞では一歩足りずだった馬が驚くばかりの快勝劇。その裏側を探ってみる。

 昨年は3週間、そして今年は2週間のインターバルを経た小倉競馬場の芝は、想像通りに前日・土曜から速い時計の決着。差しも決まるフラットな状態だったが、この日の1R(芝1200メートル)を制した鞍上・松山に迷いはなかった。

「最内だけ馬場がきれいだと思ったので、そこを取りたかった」

 好スタートを決めると外から急ぐ他馬を行かせつつ内ラチ沿いを確保。序盤は3番手集団のインで折り合いは実にスムーズ。抜群の手応えで、逃げるシフルマンを直線手前で抜き去るとあとは「暑さが吹き飛ぶほど」(松山)の走りで後続を圧倒した。

 勝ち時計1分57秒4が上々なら、マークした上がり34秒6はもちろん最速。2着につけた5馬身差は、1989年ダンツミラクルが記録した4馬身差を上回るレース史上最大着差Vだった。このワンサイド勝ちに福島助手は「夏場がいいタイプなので前走後はここを目標にやってきた。折り合いはバッチリだったし、ちょっと動くのが早いかなって思ったくらい」と破顔一笑。これまで牝馬限定戦2着2回が重賞での最高着順だった馬の見事なまでの〝激変〟については、「精神面の成長が大きいね。道中でムキにならなくなったことで、追ってからの反応が良くなった。力をつけているし、レース自体もうまくなってきた」と解説した。これは松山も同意見で「以前乗った時に比べてスタートが速くなり、レースが上手になっている」。

 牡馬相手に苦戦した6か月前の京都記念(8着)はもう過去の姿。心身が完成の域に入ったとなれば、秋のGI戦線でも無視できない存在と言えよう。

著者:東スポ競馬編集部