“夏王”獲得への勝負に挑むスカーフェイス

新潟記念2022

[GⅢ新潟記念=2022年9月4日(日曜)3歳上、新潟・芝外2000メートル]

 今年の中山金杯2着、函館記念3着など小回りコースで好走を続けてきたスカーフェイス。ところが今回の新潟芝外2000メートルはJRA最長658・7メートルという直線距離を誇る大箱コースで、これまでのイメージと全く異なる舞台だ。さらに左回りは<0・0・0・7>。鬼門とも言える条件に、あえて陣営が狙いを定めてきた理由はどこにあるのか?

「以前は右トモに緩さがあって、左回りではコーナーでスピードに乗せていけないところがあったんです」

 左回りで走り切れなかった原因を明かしつつ、参戦の意図を説明してくれたのは厩舎の番頭・村井助手。「洋芝自体は大丈夫とはいえ前走(函館記念=重)のような重い馬場は決して得意ではありませんでした。その中でよくあの位置から3着と頑張ってくれましたし、GⅠでも差のない競馬ができるようになったのは右トモを含め馬がしっかりしてきたから。今の充実ぶりなら左回りでもと思っているんです」。そう、“右回り専用機”だった以前とは馬が別モノになっているのだ。

 一方で陣営が思い描くVイメージは、これまでのコーナーから出していく競馬ではないという。ポイントになるのは新潟の長い直線だ。「この舞台なら直線を向いてから加速して長く脚を使えそう。岩田(康)ジョッキーも“むしろいい方に出るかもしれない”と言ってくれています」。今回は久々のワンターン。左回り攻略の下地はすでにできており、最後の脚により集中できる舞台となれば…。強豪揃いの大阪杯(6着)で最速上がりをマークした自慢の決め手が炸裂→G前逆転のシーンがイメージできる。

 現在4ポイントの本馬にとって勝てばサマー2000シリーズ王者になる可能性もある。「もちろんチャンスがあると思っていますし、左回りの広いコースでいい結果が出れば秋の選択肢も広がりますから」。スカーフェイスにとってここは“夏王”獲得への勝負であると同時に、秋の大舞台を占う試金石。2つの大きな意味のある“かじ取り”を思えば、過去の戦績だけで「消し」と決めつけるのはあまりにも危険すぎる。

著者:東スポ競馬編集部