「サマーマイルシリーズ」制覇の期待がかかるベレヌス

京成杯オータムハンデ2022

[GⅢ京成杯オータムハンデキャップ=2022年9月11日(日曜)3歳上、中山・芝外1600メートル]

 舞台となる秋の中山は他の開催時期と異なりオーバーシードが採用されない野芝のみのターフとなる。非常に速い時計の決着となりやすく、1987年(1着ダイナアクトレス)は当時の世界タイレコードとなる1分32秒2を記録。そして、2019年の1分30秒3(1着トロワゼトワル)は現在のJRAレコードとなっている。しかし、高速馬場に対する批判は根強く、近年はクッション性確保のためエアレーション、シャタリング作業を実施。前2年は良馬場で1分33秒9→1分32秒0の決着と普通の時計に収まっている。今秋の馬場がどの程度のレベルに仕上がっているかの指針ともなるだけに、そのタイムにも注目したい。

「サマーマイルシリーズ2022(全4戦)」の最終戦。18ポイントでトップに立つウインカーネリアンに逆転可能な存在は2位につけるベレヌス(57キロ=牡5・杉山晴)だけだ。前走・GⅢ中京記念は鞍上・西村淳の巧みなペース判断で見事に逃げ切り。重賞初制覇を飾るとともに10ポイントをゲットした。これまでマイル戦の勝ち星はないが、前々走・谷川岳Sを2着に好走。当時の勝ち馬ウインカーネリアン(0秒2差)が不在のここは重賞2勝目を挙げ、チャンピオンの座も奪取する絶好機といえる。

 ファルコニア(56キロ=牡5・高野)は中京記念が0秒1差3着。とはいえ、3か月ぶりの実戦を考慮すれば勝負付けは済んでいない。2〜3歳時はGⅡ京都新聞杯3着など中距離路線を歩んだが、初のマイル戦となった2月の洛陽Sで3着好走。強敵相手のGⅡマイラーズCも3着善戦と高い距離適性に不安はなく、良血馬が初タイトル奪取のシーンも期待できる。中京記念4着ミスニューヨーク(54キロ=牝5・杉山晴)はコース替わりが魅力。中山芝はGⅢターコイズSを含む3勝をマークしている。2か月ぶりを使っての上積みを加味すれば侮れない存在だ。

 ベレヌスと同じくトップハンデタイの57キロとなったシュリ(牡6・池江)は前走・GⅢ関屋記念がウインカーネリアンから0秒1差の2着。当時が3か月ぶりだった点からも上積み込みでベレヌスより上位評価も可能だ。昨秋以降は不振が続いたが、昨年5月には同じ新潟マイルの谷川岳Sを勝利したのだから、12番人気激走の前走にフロック感はない。ダーリントンホール(56・5キロ=牡5・木村)は3歳時にGⅢ共同通信杯を制し牡馬クラシックにも駒を進めた逸材。ただし、順調に使えない弱みもあり4歳以降は未勝利。今回も3か月ぶりの実戦とあり、その仕上がり具合がカギとなる。

かつては京王杯オータムハンデだった

 ちなみに、数ある重賞の中で最も名称を〝混同〟されやすいレースがこのGⅢ京成杯オータムハンデだろう。中山競馬場の最寄り駅のひとつである東中山駅を通る京成電鉄(本線)の協賛に違和感はまったくない。しかし、同競馬場が継続的な舞台となったのは80年から。79年以前は基本的に東京競馬場で行われており、名称も同競馬場への〝足〟である京王電鉄からいただいた〝京王杯〟だった。

 中山施行でありながら京王杯というズレが解消されたのは98年。逆パターンで同じギャップが生じていた東京の京成杯3歳Sと冠を入れ替える形で「京成杯AH」へと生まれ変わったのだ。しかし、80〜90年代から競馬を見始めた世代はいまだに〝京王杯AH〟と呼んでしまうことも少なくない。

著者:東スポ競馬編集部