紫苑ステークス2022

[GⅢ紫苑ステークス=2022年9月10日(土曜)3歳牝、中山・芝内2000メートル、秋華賞トライアル]

 秋競馬開幕週の重賞はGⅡセントウルS、GⅢ京成杯AHだけではない。前日土曜(10日)には10・16秋華賞トライアル(3着までに優先出走権)のGⅢ紫苑S(中山芝内2000メートル)が組まれている。

 実は比較的、馬券野郎が得意にしている重賞だ。何でかっていうと、1番人気がよく取りこぼしてくれるからで(苦笑)1番人気が勝ったのは…5年前の2017年ディアドラまでさかのぼらなければならない。基本的には荒れ気味の重賞であり、ある意味、典型的な由緒正しい?トライアルなのである。

 そう、本番はこの先。1番人気に支持されるような馬は得てして「叩き台」、もしくは「過剰評価」。前者の代表例は19年のカレンブーケドール(3着)、後者のそれは21年のエクランドール(17着)。今年でいえば、サークルオブライフやスタニングローズに「叩き台」のフシがあり(両馬とも太め残りっぽい)、エクランドールの鞍上だったルメールが騎乗するサンカルパはどう考えても「過剰評価」だろう(気性が幼いし、2000メートルは長いし…)。

 そんなわけでライラックに白羽の矢が立つのは自然な流れであり実際、相沢調教師も強気節を奏でている。

「函館競馬場でじっくりと乗り込んでから美浦に帰ってきた。やっぱり動くよね、この馬は。体つきは春から大きく変わってはいないけど、カイ食いはいいし、いきなりから勝負になる仕上げ。桜花賞(16着)とオークス(11着)はもろもろの要因で気持ちが途切れてしまっただけなんだ。(春の牝馬2冠を制した)スターズオンアースを破ったフェアリーSからしても能力は世代トップクラス。普通に走れば勝ち負けになるよ」

 トレーナーが2つ目の重賞タイトル奪取に意欲満々なら、1週前追い切りに騎乗した新たなるパートナーの戸崎圭も手応えを隠さない。

「さすがにいいバネをしてますね。重賞を勝っているのはダテではありません。ウッドで伸びやかな走りを見せてくれたし、芝ならもっと切れそうな雰囲気でした。体もきっちりとできてますね」

 戸崎圭といえば、16年の当レースをテン乗りだったビッシュでビシッと決めた実績があるし、近2週の新潟競馬で11勝を挙げた絶好調男でもある。まさに人馬とも「買い材料」に満ちあふれているではないか。

 蛇足だが、本番の秋華賞ではプレサージュリフトというお手馬がいる(はず)だけに、戸崎圭は今回限り=目一杯の騎乗となる公算が大。もはや“買わない材料”が見当たらない秋のボーナスレースである(当方の強気節は裏目となりがちだが…)。

扇風機で残暑対策もバッチリ。ライラックは秋初戦から万全の態勢だ

著者:虎石 晃