オジュウチョウサンと石神

 J・GⅠ9勝の〝障害絶対王者〟オジュウチョウサン(牡11・和田郎)が万全の状態だ。今月7日に美浦トレセンに帰厩し、始動戦のGⅡ東京ハイジャンプ(10月16日)へ向け、主戦の石神深一とともに順調な調整を行っている。

10・16東京ハイジャンプで復帰へ

 今年春に11歳となった同馬はJRA現役最高齢馬の一頭。今年4月の中山グランドジャンプでJ・GⅠ9勝目を挙げて完全復活を果たし、ちまたでささやかれる〝引退説〟を一蹴した。

 帰厩した翌日、長らくコンビを組んできた石神と5か月ぶりに再会。厩舎前で歩いていたオジュウチョウサンは相棒を見た瞬間、ある行動を取ったという。当時の様子を石神はこう振り返る。

「オジュウは厩舎の前にいて、僕の顔を見ると立ち止まったんです。僕を乗せるために立ち止まったのか、それとも僕に乗られたくなくて止まったのか…。いずれにせよ僕を認識していると思います。ああ、久々に石神が来たなって。オジュウは人間の年齢に換算すると40過ぎ。僕は40歳なので、もう同級生って感じですね(笑い)」

 現在は美浦トレセンで通常のルーティンをこなしている。帰厩の翌日は角馬場のキャンター3周を2セット。「今は馬の状態を把握することがメイン。いつも放牧から帰ってきた時と全く一緒です」(石神)。全盛期よりおとなしくなったというが、今でも音には敏感。付近でゲートが開く音がすると「軽い尻っぱねをしたり、突っ走りそうになる」という。

 障害界を席巻する人馬は意思疎通もバッチリ。先日、オジュウが不意にキョロキョロした際は「大丈夫か? ボロか?」としきりに声をかけ、キャンターで立ち止まると首筋をポンポンと優しく叩いて「ほら、行くぞ!」と促す。まるで兄弟のような親友のような関係――。秋本番に向けて死角はない。

著者:東スポ競馬編集部