ガイアフォースと松山

[GⅡセントライト記念=2022年9月19日(月曜)3歳、中山・芝外2200メートル、菊花賞トライアル]

 月曜(19日)中山競馬のメイン・GⅡセントライト記念(芝外2200メートル)は重賞初出走のガイアフォース(牡3・杉山晴)が快勝。2着アスクビクターモア、3着ローシャムパークまでがGⅠ菊花賞(10月23日=阪神芝内3000メートル)の優先出走権を獲得した。ダービー馬不在のラスト1冠に名乗りを上げた上がり馬の可能性はまさに無限大だ。

 過去20年(2002〜21年)でダービー馬が不在の菊花賞は実に14回を数える。昨年のシャフリヤール(神戸新聞杯4着→ジャパンC3着)に続き、今年のドウデュースも秋の大目標を異なるレース(凱旋門賞)に定めた。

 中山が舞台のこのGⅡは長らく〝非主流〟とされてきたが…。今週の神戸新聞杯を予定する組でダービー最先着はプラダリアの5着。一方、今年の当レースにはダービー3着アスクビクターモアという確固たる〝核〟が存在する。ならば本番でワンツー(タイトルホルダー→オーソクレース)を決めた昨年に続き、今年も大輪を咲かす上がり馬が誕生する可能性は極めて高い。中でも〝マッチレース〟を制したガイアフォースこそが、第83回菊花賞の主役にふさわしい――。

 好スタートを決めると、道中は好位5〜6番手の外めを進む。すぐ前のアスクビクターモア、内のオニャンコポンという春の実績馬が格好の目標となった。レースが動いたのは4コーナー。逃げるショウナンマグマをアスクビクターモアが捕らえに行くと、歩調を合わせてガイアフォースもスパートを開始する。最後は内アスク、外ガイアの一騎打ち。最初に前に出た挑戦者をいったんは実績馬が抜き返す意地を見せたが…。ゴール板では鞍上・松山の叱咤に応えた芦毛の新星がアタマ差前に出ていた。

「人気馬を見ながら進む形でしっかりと脚がたまった。最後もいい反応でしたし、自分から動いて行って最後までしのいでくれましたね。本当に強い馬ですし、これからも一緒に歩んでいきたい」とパートナーをたたえたのは松山。「馬」が15年に本番も連勝するキタサンブラックとの父子制覇を達成すれば、松山&杉山晴調教師という「人」は20年の牝馬3冠を達成したデアリングタクトと同じコンビ。大舞台向きの出自が3000メートル決戦での大仕事を予感させる。

「これ以上雨が降るとどうかと思いましたが、10Rの内容を見て大丈夫かなと。力で実績馬を抑え込んでくれましたし、勝ち切ってくれたのは大きい。(3000メートルの)距離は初めてなので不安もありますが、力で押し切ってくれるのでは」と杉山晴調教師もラスト1冠への手応えを隠さない。

 そもそも出発点となる新馬戦はドウデュースのクビ差2着。上がり馬というよりは〝真の実力馬〟が菊の大輪を咲かせても驚きはまったくあるまい。

著者:東スポ競馬編集部