葵S勝ちを含めスプリント戦では大崩れのないウインマーベル

[GⅠスプリンターズステークス=2022年10月2日(日曜)3歳上、中山・芝外1200メートル]

 昨年ピクシーナイトが実に14年ぶりに3歳馬Vを成し遂げたスプリンターズS。それだけ古馬の牙城が高いということ?

 いや、これはただのデータ上のまやかし。そもそも3歳馬の出走頭数が少ないうえ、実績を持った馬が出てきたケースも少ないというカラクリがある。実際、3番人気でVをつかんだピクシーナイト以前も、2016年ソルヴェイグが9番人気3着、18年ラブカンプーが11番人気2着と人気を覆す好走を見せている。

 今年の3歳馬3頭はすでに古馬混合スプリント重賞で結果を出している心強い若武者たち。どれが馬券に食い込んでもなんら驚けないが…。1200メートルで最も場数を踏んで、かつ崩れたことが一切ないというウインマーベルこそが〝本丸〟だ。

 1200メートルで〈3・2・3・0〉と堅実な走りを見せているウインマーベル。その走りが頂点に届き得るものであることを陣営が確信したのはおそらく葵Sだろう。同世代のGⅢながら、収得賞金が多かったため、他の牡馬より1キロ重く、牝馬と比べ3キロも余分に背負った57キロで横綱相撲の差し切り勝ち。鞍上の松山が「思い通りのレースができて、あとは抜け出すだけという、すごく強い競馬をしてくれました」と感嘆したのは記憶に新しい。

テストランも完了しさらに上向き

「この馬はGⅠを目指せる馬だと思っています」。管理する深山調教師も自信を抱いている。初の古馬相手だった前走・GⅢキーンランドCは好位から安定した取り口で勝ち馬ヴェントヴォーチェに0秒1差まで迫る2着健闘。「休み明けだった分もありますからね。今回は叩いたことで上積みがありますよ」とトレーナー。すべてはこのレースを見据えた上でのテストランだったというわけだ。

 この中間は美浦で丹念にトレーニングを進めて1週前追い切りは南ウッドでビッシリ追って5ハロン69・7―38・1―11・9秒と鋭い切れ味を披露。「前走のダメージはありませんでしたし、体もしっかり戻っています。いい状態で挑戦できそうです」とは深山師の弁だ。

 同じ3歳馬でも稽古で相変わらず超ド級の動きを見せているナムラクレアのほうが人気は集めそうだが、実戦でマーベラスな走りを見せるのは本馬ではないか? 3歳馬は3歳馬でも「こっちだったか…」のパターンだけは絶対に避けたい。

著者:東スポ競馬編集部