スプリンターズステークス2022

[GⅠスプリンターズステークス=2022年10月2日(日曜)3歳上、中山・芝外1200メートル]

 セントウルSで32秒6を刻んだファストフォースを筆頭に、テイエムスパーダ=32秒8、メイケイエール=33秒3、ジャンダルム=33秒3、ナムラクレア=33秒5、タイセイビジョン=33秒8と前走の自身前半3ハロン32〜33秒台のスピード自慢が集結。今年もスタート直後からスプリンターの頂点を決めるにふさわしいハイスピードバトルが繰り広げられそうだ。

 14号、そして15号と2週続けて日本列島上空を台風が通過。その影響がどこまで残るかによって数字は多少上下しそうだが、後半3ハロンよりも前半3ハロンのほうが速い前傾ラップを刻むのはほぼ確定的な情勢。主導権争いの帰すうによっては19年の32秒8→34秒3、20年の32秒8→35秒5に近いかなりのハイペースを想定しておくべきだろう。

後方待機組でも不可欠な耐性

ブレのないラップで高松宮記念4着に入ったトゥラヴェスーラ(オレンジ帽)

 レースラップのバランスが大きく前半に傾くとなれば、ガクッとペースが落ちる後半で勝負に出る差し、追い込み馬が有利。大方の見方はこうなるところだろうが、直線勝負の後方待機組でも33〜34秒台前半と速めの自身前半3ハロンラップを刻まざるを得ないところがスプリント戦のHペースの怖いところ。道中追走でなし崩し的に脚を使わされてしまったがゆえに、肝心の勝負どころではすでに手応えを失ってしまっている。そんな歴史が繰り返されてきたのもまた紛れもない事実だ。

 レースラップのブレに惑わされずに自らの走りを貫けるか否か。スプリント戦のHペース攻略のカギとなるのはやはりこの一点。前走で掲示板確保かつ自身前後3ハロンラップの落差がイーブンに近かったトップ3は1位トゥラヴェスーラ(高松宮記念4着=34秒2→34秒2)、2位ナムラクレア(北九州記念3着=33秒5→33秒6)、3位ウインマーベル(キーンランドC2着=34秒7→34秒5)。ハイラップも泰然自若でやり過ごすこの〝三人衆〟による、圏内独占も決して夢物語ではあるまい。

著者:東スポ競馬編集部