パイロ直系シゲルカガの産駒がついにデビューを果たす

【血統値】2019年の桜花賞2着、秋華賞3着のシゲルピンクダイヤ、その半妹で21年のフィリーズレビューを制したシゲルピンクルビーなど、「シゲル」の冠名で知られた馬主の森中蕃(もりなか・しげる)氏が10月17日、悪性リンパ腫のため死去した。87歳だった。

 ジュウヤク、ソウサイなどの「役職」シリーズ、スダチ、アセロラなどの「果実」シリーズなど、ユニークな馬名でファンを楽しませる名物オーナーでもあった。

 50年以上の馬主歴を誇り、1000頭を超える馬を所有した中で、初めて種牡馬となったのが、今年の新種牡馬となるシゲルカガ(※アラブではシゲルホームランがいる)だ。

 シゲルカガはエーピーインディ系プルピット直子のパイロ(米GⅠフォアゴーS)の初年度産駒で、11年生まれ。この世代は旧国名が名前に付けられている。

 栗東・谷厩舎の管理馬として13年8月の小倉でデビューし、新馬戦を逃げ切り勝ち。4戦目のかえで賞で2勝目を挙げると、年末のオープン・クリスマスローズSでは同じく今年の新種牡馬となるネロのハナ差2着に好走した。

 3歳時は1勝。4歳時には山城Sを勝ってオープン入りを果たした。ここまでの勝利はすべて芝コースであったが、昇級初戦は中山ダート1200メートルの千葉Sに出走。ここを勝つと以後はダートに主戦場を移し、大井の交流GⅢ東京スプリントでダノンレジェンドの2着となると、続く門別の交流GⅢ北海道スプリントカップで重賞初制覇を飾った。

 その後は勝ち星から遠ざかり、南関東から岩手に移籍。岩手ではラストランまで8連勝を飾った。中央、地方合わせ、通算47戦14勝の成績を残した。

 引退後はイーストスタッドで種牡馬入り。初年度は20頭、2年目も18頭とそこそこの牝馬を集めたが、3年目となる昨年はわずか5頭に減ってしまい、産駒のデビューを待たずに10月に用途変更となってしまった。

 昨年はカジノドライヴ産駒のカジノフォンテンが川崎記念とかしわ記念を、シニスターミニスター産駒のテーオーケインズが帝王賞とチャンピオンズCを、さらにはパイロ産駒のミューチャリーがJBCクラシックとエーピーインディ系の産駒がダートのビッグレースを勝ちまくった。今年もパイロ産駒のメイショウハリオが帝王賞を制している。

 この大ブレークが1年早ければパイロ初の後継種牡馬として、シゲルカガの運命も違っていたかもしれない。せめて残された産駒から芝、ダートを問わずに見せた父の素晴らしいスピードを受け継ぐ馬が出てきてほしいものだ。まずは中央初出走となる、5日の阪神5R・2歳新馬(芝内1400メートル)のシゲルダンガン(牡=母シゲルアンドロメダ・谷)に注目だ。

著者:東スポ競馬編集部