過去最高馬体重を叩いてエリザベス女王杯連覇へ挑むアカイイト

エリザベス女王杯2022

[GⅠエリザベス女王杯=2022年11月13日(日曜)3歳上(牝)、阪神競馬場、芝内2200メートル]

 第47回エリザベス女王杯(13日=阪神芝内2200メートル)ウイークに突入した今、問うてみたい。「昨年の覇者は?」。即答できる競馬ファンはそう多くはないのかもしれない。それくらいアカイイトの存在感はすっかり薄くなってしまった。女王杯戴冠を最後に、勝ち星なしでは致し方なし? いやいや、昨年の女王は結果だけでは見えにくい「濃密な時」を過ごし、連覇への準備を整えている。

 10番人気の低評価を覆す、鮮やかな差し切りでファンをあっと言わせた昨年のエリザベス女王杯からはや1年。アカイイトにとって、この1年は濃密な時間であったに違いない。

 昨年末の有馬記念(7着)から、今春の大阪杯(10着)までは牡馬の超一線級相手にモマれ続けた。そんな中で好メンバーが揃った今年初戦の金鯱賞ではレコード決着となるハイレベルな戦いの中、それまでとは異なる中団に構えるスタイルで3着善戦と進境もまた見せてきた。さらにヴィクトリアマイルでは未経験だった距離1600メートルにも挑戦。8着に敗れはしたものの、新たな可能性も感じさせている。様々な経験を糧に、今なお進化中――。それがアカイイトの現在地なのだ。

 秋初戦を府中牝馬Sで迎えたのは昨年と同じ。発馬が決まらず後方からの競馬になったのもまた昨年同様だったが、踏み出しが少し遅れた昨年に対して、今年は直線に向いた時点で前方のスペースが空く絶好のポジション。そして手応えも昨年以上に思えたのだが…。思いのほか伸びあぐね、10着に敗れてしまった。

 陣営にとってはショックの大きい敗戦? いやいや、前走比16キロ増の528キロは過去最高馬体重だったのだから致し方あるまい。「休みが長かった分、想像以上に馬体が重かったですね」とは柴田助手。そう、明確な敗因があっただけに度外視していい敗戦なのだ。

「もともと叩き良化型の馬ですからね。休み明けでも3着にきた金鯱賞は逆にびっくりしたくらい。使って反応が良くなっているし、体も絞れてきています」

 実際、坂路での1週前追い切りの内容は柴田助手の言葉を裏付けるものだった。4ハロン54・3―13・2秒の時計は平凡に見えるだろうが、「抑えるのが大変でした」と苦笑するぐらいの行きっぷり。当週に最も負荷をかけるのがアカイイトの調教パターン。つまり、時計はその意図通りに抑えたわけだが、それでもその脚取りは前進気勢にあふれ、力強さを増していたということなのだ。

「今度は納得できる状態に持ってこれました。阪神は得意コースだし、あとはジョッキーにお任せします」と柴田助手。

 連覇達成で再びあっと言わせるシーンが今から楽しみでならない。

著者:東スポ競馬編集部