日程に余裕のあるレース前週にビッシリ追い、当週はサラッと息を整える調整法が主流となっている現代競馬。「1週前追い切り」は存在感を増している。そして、そこにこそレースを読み解くカギが潜んでいる。

「3歳馬VS古馬」の牝馬世代バトル、第47回GⅠエリザベス女王杯(阪神競馬場=芝内2200メートル)が13日に迫ってきた。秋華賞1、2着のスタニングローズ、ナミュールを筆頭とする3歳勢の若さを、過去10年で8勝の古馬陣が今年も防ぐのか? 1週前追い切りの動きにそのヒントを求めたい。厳正な審判を下すのは調教を見続けて四半世紀を超えるベテランの芝井淳司記者だ。なお、11年ぶりの外国馬参戦となる今年の愛オークス馬マジカルラグーンは、1週前に目立った時計は出しておらず、ここでは対象外としている。

近走の中では一番の動きを見せたアカイイト

5位スタニングローズ

(2日栗東坂路=4ハロン53・3―38・3―24・5―11・9秒=馬なり)

 10月30日(日)に坂路でしまいだけ伸ばしているが、実質、この中間の1本目の追い切り。もともと動く馬だが、馬なりでラストは見た目以上の11秒台が出た。もともと動くタイプだが、身のこなしが良く、秋華賞を勝った反動は皆無。まだまだ走りたいとウズウズしているようにも見えた。

4位イズジョーノキセキ

(3日栗東ウッド=6ハロン83・3―68・1―53・6―38・6―11・9秒=馬なり)

 手替わりとなるルメール騎手が初めて騎乗しての追い切り。馬が混みあった時間帯だったが、重心を低くして推進力にあふれるアクションは目立った。府中牝馬Sを激走した反動を心配していたが、まったく問題なし。乗り難しいタイプで、これまで岩田康騎手が上手に乗っていたのをルメールがどうこなすかが焦点だが、調教でのコンタクトはうまく取れている。

3位ウインマイティー

(4日栗東ポリトラック=6ハロン82・3―65・5―51・2―38・1―11・9秒=G一杯)

 悪く見えたことがほとんどないぐらい動く馬だが、この日のポリトラックでも軽快な走りを披露した。道中は人馬の呼吸が合ってしっかり折り合い、直線追われてからグンと加速。前走・京都大賞典(3着)の1週前追いほどの猛時計(6ハロン75・1秒)ではなかったが、躍動感は確実にアップ。多めに上積みを見込んでいいだろう。

2位デアリングタクト

(2日栗東ウッド=6ハロン82・7―67・3―52・0―37・1―11・4秒=仕掛け)

 いつもと同じルーティンでウッドでの1週前追い。しっかり負荷をかけた3頭併せで、2番手から真ん中に入って力強い伸び脚を見せた。楽な手応えで外のオープン馬ベレヌスと並び、ゴールではわずかに先着。近2走は、1週前にウッド6ハロン80秒台を切るような時計を叩き出していたが、今回はソフト仕上げに変化させてきた。それがプラスに働いているようで、気負うところがなく、かつ活気も十分。そろそろ復活があるかも。

1位アカイイト

(2日栗東坂路=4ハロン54・3―39・5―26・1―13・2秒=馬なり)

 時計的には大したものではないが、とにかく気合乗りがすごくて鞍上が抑えるのに苦労するほど。まさに元気いっぱいといった感じで、フットワークにもいいころの力強さが出てきた。間違いなく近走の中では一番の動き。去年、このレースを勝った時も実はいい動きを見せていた馬だが、その当時に近づいてきた印象を受ける。この状態なら連覇の可能性十分だ。

著者:東スポ競馬編集部