父パドトロワの後継として大きな期待が高まるダンシングプリンス(岩手県競馬組合提供)

【血統値】3日、盛岡競馬場と門別競馬場で行われた「ダート競馬の祭典」JBC4競走はいずれも中央勢の勝利で終わった。その中でJBCスプリント(盛岡ダート1200メートル)は1着ダンシングプリンス(牡6・宮田)、2着リュウノユキナ(牡7・小野)と過去に地方競馬に在籍していた馬のワンツーという珍しい結果となった。

 ダンシングプリンスは栗東の鮫島厩舎から3歳の8月と遅いデビューを果たすも3戦して未勝利に終わり、南関東に転厩して3戦3勝。中央に再入厩してからは休みがちながらもダートの短距離戦で勝ち星を積み重ねてきた。

 京葉S勝ちのあと、脚部不安で8か月ぶりとなった2021年のGⅢカペラSで重賞初制覇を飾ると、翌年のサウジアラビアのGⅢリヤドダートスプリント、交流GⅢ北海道スプリントCと重賞3連勝。盛岡の交流GⅢクラスターCこそ出遅れが響いて4着に敗れたが、JBCスプリント制覇で遂にGⅠ馬にまで上り詰めた。

 父パドトロワはメトロポリタンSなど米GⅠをレコードで2勝した快足スウェプトオーヴァーボードの産駒で、母がGⅢ中日新聞杯の勝ち馬グランパドドゥ、祖母スターバレリーナもGⅡローズSの勝ち馬という良血馬。スウェプトオーヴァーボードは種牡馬としてはGⅠスプリンターズS連覇のレッドファルクスから、GⅢステイヤーズSのリッジマン、交流GⅠ東京大賞典4連覇中のオメガパフュームまでさまざまなタイプを出している。

 パドトロワは父同様に短距離路線で活躍し、アイビスSD、キーンランドC、函館スプリントSと重賞を3勝し、引退後はレックススタッドで種牡馬入り。GⅠ勝ちはなく、最後は9戦連続2桁着順で終わるなど印象は良いものではなかったが、初年度の15年は64頭に種付けと実績以上といえる人気を集めた。以降も50頭前後で推移していたが、20年は38頭、21年は30頭と減少。今年はやや盛り返して39頭だった。

 ダンシングプリンスは叔父にスプリンターズS、マイルCS連覇とGⅠ3勝のデュランダルを持つだけでなく、半姉プリンセスメモリー(父スウェプトオーヴァーボード)もオーロCを制し、GⅢクイーンCでも2着に入った活躍馬。パドトロワの初年度産駒の中でも血統的には一番注目された存在だった。

 ダンシングプリンスの活躍で種付け頭数のV字回復が期待できたパドトロワだったが、今年の9月17日に急死してしまった。現在のところ産駒唯一のグレードレース勝ち馬であるダンシングプリンスには、その後継種牡馬として大きな期待がかかるのは間違いない。

著者:東スポ競馬編集部