スローペース必至ならばヴェラアズールの出番だ

ジャパンカップ2022

[GⅠジャパンカップ=2022年11月27日(日曜)3歳上、東京競馬場、芝2400メートル]

 逃げ切りを決めた昨年の菊花賞が前半3ハロン35秒1→5ハロン60秒0。今年の天皇賞・春は同36秒5→60秒5。テンのスピードに優れたタイプとは言いがたいタイトルホルダーが凱旋門賞ですんなり主導権を握れたように、同じ距離でも日本と数秒単位で時計差のあるヨーロッパでは二の脚の速さにそこまで重きを置かない。

 ドイツから参戦のテュネス、そしてフランスのシムカミルあたりは戦歴的にハナが理想のタイプに映るが、12ハロン2分27秒8(シムカミル)、2分35秒8(テュネス)の持ち時計で日本馬相手にハナを叩ける可能性はかなり低いはず。その位置取りはおのずと好位から中団に収まると考えれば、全体のペースに影響を与える可能性もまたかなり低いと考えていい。

 未知の海外馬はひとまずスルーしてOKとなれば、馬群を率いるのはおそらくユニコーンライオンということになろう。前走のGⅢ福島記念が前後半4ハロン46秒8→48秒4のハイラップで後続の追撃を完封。僚馬であり前年の覇者であるパンサラッサのような鮮やかな逃走劇を演じてみせたが、これはあくまで小回りの10ハロンだからこそ選択できた戦法。1ハロン長い11ハロンの宝塚記念(21年)では、前後半5ハロン60秒0→58秒5の後傾ラップを生み出していることを忘れてはならない。距離延長&大箱の東京替わりで再びハイラップを刻む必要性は皆無。そう考えると、強力同型不在のここは宝塚記念のように緩やかな流れを想定しておくべきか。

 スローペースからのヨーイドン。いわゆる直線での瞬発力比べにめっぽう強いのがヴェラアズールだ。ダートから芝に転じて5戦続けて最速上がりをマーク。その大半がスローペースとなれば、速い流れでなし崩しに脚を使わされるケース以外での不発はまず考えにくい。前走のGⅡ京都大賞典で初の重賞勝ちと格で見劣りするのは確か。それでも、展開という強烈な追い風を受ける一頭であることだけは間違いないだろう。

著者:東スポ競馬編集部