高いポテンシャルを見せつけたシンリョクカ

垰野忠彦【シンリョクカ(牝3・竹内)】

 東京芝マイルの新馬戦を3馬身半差で楽勝し、2戦目となるGⅠ阪神JFで12番人気から2着して世間を驚かせた。同じく東京芝マイルの新馬戦を勝ってキャリア1戦でGⅠ朝日杯FSに臨んだレイベリング(牡3・鹿戸)の3着よりも、ファンに与えた衝撃は大きかったはずだ。

 竹内調教師は同馬を高く評価し「能力の高さからすると一発があるかも」と予告していた。ただ、抽選対象であったことから、担当記者たちも事前に印がつけにくかったという事情がある。

 初戦は前半3ハロン36秒7、後半3ハロン33秒7のスローを1分36秒6(上がり3ハロン33秒4)で好位から差し切り勝ち。阪神JFでは前半3ハロン33秒7、後半3ハロン36秒1秒のハイペースを、中団から1分33秒5(上がり3ハロン35秒9)でリバティアイランドから0秒4差の2着に入った。

 全く違う流れのレースでも安定して運べるセンスの良さがある。カイ食いが細く体が増えてこないのが課題。放牧を経て春にどんな成長を見せてくれるのか今から楽しみだ。現時点では桜花賞に直行予定。

 ちなみに、同馬は朝日杯FSにも登録しており、メンバーから考えると、そちらのほうが好勝負になるのではないかとみられていた。結果として阪神JFに出走したが、朝日杯FSでドルチェモアの勝ち時計は1分33秒9。阪神JFを1分33秒5で走ったシンリョクカが出走していればどうなっていたのか。タラレバで考えれば興味は尽きない。

 勢いに乗る竹内厩舎からは、新馬ユイノマチブセ(牡3)が阪神の新馬(ダート1200メートル)で、後続を7馬身差でぶっちぎる圧勝を飾っており、ダートでも楽しみが増えている。この馬もマークしたい。

著者:垰野 忠彦